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5 紳士クンにバナナは必要無い説

 令の言葉に、目を点にして頓狂な声を漏らす紳士クン。

ほんの数秒、その意味が分からずに居たが、

それがさっきの『手術』という言葉と結びつき、

紳士クンの心をジワジワと恐怖の影が(むしば)んでいく。

そして恐る恐る、令に尋ねる。

 「そ、それって、どういう事ですか?ま、まさか・・・・・・」

 恐ろしさのあまり、その言葉の続きを口にする事ができない紳士クンに、

しかし令はあっさりと、

まるで肩についた糸くずをサッと払うような簡単な調子で、こう答えた。

 「紳士ちゃんのコレ(・・)を、チョン切っちゃいましょう♡」

 「な・・・・・・」

 令の言葉を聞き、紳士クンは頭の中が真っ白になり、

その様を表出するかのように白目をむいた。

ちなみに、令が今言った『コレ』とは、紳士クンのバナナの事であり、

つまり令は今から、紳士クンの唯一無二の男の象徴であるこのバナナを、

手術でチョン切ろうと言うのだ。

それを聞いた紳士クンは頭の中も目ん玉も真っ白になってしまったのだが、

それはおよそ一秒ほどの出来事

(紳士クンにとっては、もっと長く感じたのかもしれないが)で、

紳士クンはハッと我に返り、喉が張り裂けんばかりの声で令に訴えた。

 「な⁉何でそうなるんですか⁉

こ、これは、僕が男である事を証明し、

これからも男として生きて行く為に絶対に必要なモノなんです!

それを手術で切り落とそうだなんて、

どうして令お姉様は、そんな恐ろしい事を仰るのですか⁉」

 それに対して令は、自分が恐ろしい事を言っている等、

素粒子の粒ほども思わない様子でこう返す。

 「だってコレは、紳士ちゃんには必要ないって気付いたから」

 「必要ですよ!命の次に必要ですよ!」

 紳士クンは必死に訴えるが、その紳士クンを優しく諭すように、令は言葉を続ける。



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