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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅴ  作者: 椎家 友妻
第二話 紳士クンと令太の生い立ち
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7 令太の変化

 しかし令太はこれまでのように、令のその言葉を無条件に無思考に、

そして無防備に受け入れる事は出来なくなっていた。

先の林間学校での女風呂での出来事と、

その頃令太の中でほのかに芽生え始めていた『男』としての自我が、

令の言葉を受け入れる事を拒んだのだ。

そして令太は生まれて初めて、

今まで両親よりも従順に従って来た令に対し、反旗(はんき)(ひるがえ)した。

しかしそれはあくまで内面での話で、

次の日からただちに男の格好をして学校に行くという事にはつながらなかった。

令太は当時通っていたその小学校で完全に女の子として認知されており、

それを(くつがえ)して実は自分は男でした宣言をするほど、令太には勇気もなく、

その辻褄(つじつま)を合せて説明するだけの話術も持ち合わせていなかったのだ。

なのでとりあえず小学校を卒業するまでは、令太は女の子として通す事を決めた。

それまで普通に使っていた女子トイレは使わない事にし、

最も人の出入りが少ない、校舎の端に位置する男子トイレをコッソリ使った。

そして夏のプールの授業は、塩素アレルギーがひどくなったと言って全て見学にし、

体育の授業の着替えは、誰も来ない体育倉庫の裏でひっそり行った。

それと同時にクラスメイトともできるだけ距離を置き、

自分が間違っても男だとバレないよう、最大限の配慮を行った。



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