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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅴ  作者: 椎家 友妻
第二話 紳士クンと令太の生い立ち
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5 令太は性に目覚めない

 いや、それは当たり前やないかいと関西弁で突っ込まれそうだが、

それは令太がこれまで歩んで来た人生において、衝撃以外の何物でもなかった。

その場に居た誰一人として、男のシンボルが付いている者は居らず、

普段から男勝りの性格で、男子よりも腕っ節が強く、

こいつはどう考えても男だろうと思っていた女子にも、

男のシンボルはついていなかった。

本当にそこには生物学的な女子しか居らず、

その場にあって唯一、令太だけが男だったのだ。

ちなみにこの時、クラスメイトの女子のスッポンポンの姿を目の前にして、

令太が性に目覚めたかというと全くそうではなかった。

スタイル的には日頃から一緒に風呂に入っている令の方が、

はるかにグラマーであったし、その事もあって、

令太は異性の体に対してある意味麻痺してしまっており、

令よりも貧相なスッポンポンを目の前に見せられた所で、

令太の男のシンボルは、何の反応も示さなかった

それよりもむしろ、この場に居る生物学的な男は自分一人で、

今まで信じていた令の教えが、全て嘘偽りだったのではないかという事実に、

雷に打たれたようなショックを受けたのだった。

つまり、男でありながら女の子として学校に通っているのは、

完全に自分一人だけであり、他の男の子は男の子として、

そして女の子は女の子として学校に通っている。

自分だけがその枠から外れ、集団のルールを破っているような、

そんな罪悪感に、令太は襲われたのである。

なのでその時、令太が体の不調を訴え、

風呂に入る事を辞退した事は言うまでもない。



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