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4 女風呂には、モノホンの女の子しか居なかった
しかし、五年の時に行われた林間学校において、令太はついに、
これはどうもおかしいのではないかと気づく出来事に遭遇したのである。
それは、風呂であった。
その時の令太は、屋敷では令と一緒に風呂に入っていたので、
男女が一緒に風呂に入るという事は当然だし、何の抵抗もなかった。
なので自分が男でありながら、
他の女子のクラスメイトと同じ風呂に入る事にも何の疑問も持たなかったし、
他にも男の身でありながら女の子として女子風呂に入るクラスメイトも、
結構居ると思っていた。
だから逆に、どうしてその状況でわざわざ、
男風呂と女風呂を分ける必要があるのかと、
風呂に入る直前までは疑問に思っていたほどなのだ。
が、
実際に女風呂の脱衣所に令太が足を踏み入れた時、
それまでの令太の考えは一掃される。
何と女風呂には、モノホンの女子しか居なかった。




