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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅴ  作者: 椎家 友妻
第二話 紳士クンと令太の生い立ち
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2 令にとっての令太

彼は、姉の令と幼いころから瓜二つであった。

しかし性格は、自己愛が強く、能動的で積極的で支配的な姉とは対照的に、

自己愛に乏しく、受動的で消極的で従順な、至って大人しい男の子であった。

なので歳は近いものの、二人の間で姉弟喧嘩はほとんど起きず、

それが前世からのしきたりであったかのように、

令は令太の支配者であり、令太は令の家来であった。

令は美しい物が好きである。

そして自分自身がその美しい存在に属するという事に、

かなり早い段階から気付いていた。

そんな令と瓜二つの容姿を備えた令太も、令はこよなく可愛がった。

自分を可愛い洋服や豪華なドレスで着飾る事と同じように、

令太にも様々な女の子の服をバンバン着させ、

屋敷に居る時も、外に遊びに行く時も、

令と一緒に居る時、令太は女の子の格好をし、

その内面も、女の子で居る事を求められた。

令太は令の弟である以前に、令の着せ替え人形であり、

美しい自分の姿を立体的に映し出す鏡のような存在であり、

従順なる分身であった。

なので令には人形やぬいぐるみといった類の玩具は必要なく、

令太さえいれば、自らの楽しみは充分に満たされた。

令太を女の子として美しく着飾る事が、

それと同じ容姿を持つ自分をより美しく際立たせ、

自分の求める美しい世界を創り出す事ができた。



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