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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅴ  作者: 椎家 友妻
第一話 紳士クンと、人のよい委員長
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13 紳士クンに安産祈願

 「んだか?なら、こっちの魚さ食うだか?」

 と、今度はおばあさんは鞄の方から、

カチカチに凍らせて真空パックに入れられた鯛のお(カシラ)を取り出し、

紳士クン達の前に差し出した。

 「そ、それは、ちょっと学校には持って行けないので・・・・・・」

 と、紳士クンが引きつった笑みを浮かべながら丁重にお断りすると、

おばあさんは少し残念そうに、

 「都会でお礼さすんのは難しいべなぁ・・・・・・」

 と呟き、懐からふたつのお守りを取り出し、それを好子と紳士クンに差し出した。

 「んならこればもらってくんろ。

ホンマさ息子の嫁に買って来たんだが、あたごらにあげるべ。

これなら大丈夫だべか?」

 「あ、はい、ありがとうございます。何か、却って気を遣わせてしまってすみません」

 「うんにゃうんにゃ、お世話になったのはこっちだべ。ほんにあにがと」

 好子の言葉におばあさんはそう言ってペコリと頭を下げた。

それに対して紳士クンも頭を下げ、お守りに目を向けてみると、

そこにはこう書かれていた。


 『安産祈願』


 (僕、産めないんだけど・・・・・・)

 そんな中おばあさんは好子と紳士クンに手を振り、

その息子夫婦は何度も頭を下げながら去って行った。


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