156/158
31 次のリーダーは紳士クン?
するとそれを見た郁子はスックと立ち上がって紳士クンの元に駆け寄り、
親しげに肩に手を置きながら言った。
「あんたが謝る事じゃねぇよ。
この喧嘩はアタイらも進んで首を突っ込んだんだからね。
それよりよくもまぁ、こんな乱闘騒ぎの中に一人で飛び込んで来て、
おまけに騒ぎを収めたモンだね。
あんた大した根性してるよ、気に入った!
ねぇあんた、ウチのチームに入らないかい?
あんたなら、次の烈怒刃威悪憐主のリーダーの座を受け継げるだけの器があるよ!」
「どぇえっ⁉そんなの無理ですよ!
僕、喧嘩は弱いし、バイクも運転できないし・・・・・・」
郁子の思わぬ申し出に紳士クンは露骨にうろたえたが、
郁子はそんな事には構わない様子でこう続けた。
「族のリーダーってのは喧嘩の強さより、
人を受け入れて束ねられる器のデカさが必要なんだよ。
あんたにゃそれがある。
それにバイクの乗り方はアタイが教えてやるから、
免許なんか一発試験ですぐに合格できるよ」
「えぇえ?で、でも・・・・・・」




