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30 神がかり的な場の収め方
と、そんな事を思われている等とは露も知らない紳士クンは、
ようやく怒りも治まった様子で大きくため息をつき、
二人の方に向き直り、小さな子供を諭すような優しい口調で言った。
「本当に反省してるなら、これからはこんなに酷い喧嘩はしない事。
まあ、仲良くしろとまでは言わないけど、
関係ない人まで巻き込んでこんな事をするのは絶対に許さないからね?
分かった?」
「あ、ああ・・・・・・」
「それは、約束する・・・・・・」
伴兆太郎と令太がしおらしい態度でそう言うと、紳士クンはニッコリほほ笑んで
「なら、絶好の話は無しにするよ」
と言い、両手をポンと合わせて言った。
「はい!この喧嘩はこれでお終い!
喧嘩両成敗の引き分けだからお互い恨みっこなし!
暴走族の皆さんもメイドの皆さんも、今日の所は僕に免じて、
大人しく解散してください!
この二人の喧嘩に巻き込んで、本当にすみませんでした!」
紳士クンがそう言ってメイド達と暴走族の面々に頭を下げると、
伴兆太郎と令太も振り返り、反省した様子で頭を下げた。




