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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅴ  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンと、日曜日の決闘
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27 紳士クンの雄叫び

 そう思った紳士クンは後先考えずに二人の元に駆けだした。

それに気付かない伴兆太郎と令太は、最後の力を振り絞るように頭を振りかぶり、

相手の額目がけて頭突きを繰り出した!

するとその間に紳士クンが

 「もうヤメて!」

 と叫びながら割って入ったが、今更その頭突きが止まるはずもなく、

二人の頭突きは紳士クンの頭を左右から挟む形で炸裂した。

 グヮチィン!

 その強烈な頭突きを左右からまともにくらった紳士クンは

「だはぁっ」と声を上げ、

両目をグルグル回し、後ろによろめきながら、仰向けにステーンと倒れ込んだ。

 「け、蓋垣?」

 「な、何でここに?」

 その姿を見てようやく正気に戻った伴兆太郎と令太は、

そう声を上げて紳士クンの元に駆け寄った。

すると紳士クンは

「う~ん・・・・・・」

と唸り声を上げながらすぐに目を開き、ガバッと身を起こす。

そして周りではまだ乱闘が続いている事を見るや、

スックと立ち上がり、両手を輪っかの形にして口に当て、あらん限りの大声で叫んだ。


 「皆さん!この喧嘩は引き分けです!だからもうやめてください!」



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