23 いざ、決戦の地へ
そして十数分車を走らせた後、
紳士クン達も例の工業団地の一角にある廃倉庫の前に到着した。
その倉庫の前に、烈怒刃威悪憐主のバイクがズラリと並んでいたので、
そこに令太が居るであろう事はすぐに分かった。
紳士クンはその倉庫から少し離れた場所に車を停めてもらい、
「ありがとうございます!
ここからは僕一人で行きますんで、世場守さんは安全な場所に隠れていて下さい!」
と言い、車のドアを開けた。
その紳士クンに、世場守千庵は心を込めた言葉でこう言った。
「どうか、ぼっちゃんの事をお願いします。
ですが、くれぐれも無茶な事はなさらぬように」
それに対して紳士クンは何も言わずにニコッと笑い、
車のドアを閉めて廃倉庫に向かって歩き出す。
紳士クンはゆったりしたトレーナーにチェック柄のキュロットスカートを穿き、
休日に家でのんびり過ごす女の子の格好をしているが、
その後ろ姿から放たれるオーラは、勇気と男らしさに溢れていた。
そんな紳士クンが倉庫に近づくにつれ、
中から大勢の叫び声が聞こえてくるのが分かった。
そして開いたままの倉庫の入り口の前に立ち、
その中の光景を目の当たりにした紳士クンは愕然とした。




