表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紳士クンの、割と不本意な日々Ⅴ  作者: 椎家 友妻
第一話 紳士クンと、人のよい委員長
14/158

2 見た目や声でバレる可能性は、ほぼない

 元々紳士クンは地声が高く、

加えて高校に入ってから常に女の子に囲まれながら女の子として振る舞っている影響で、

声の方も、本人も無意識のうちに、まるでアニメ美少女のような可愛い声になっていた。

今や紳士クンの声や喋り方は、

ひとつ年上で生物学的には本物の女である撫子(なでしこ)よりも、

女の子らしくて可愛いそれになっているのだ。

なので声や喋り方で紳士クンが男だとバレてしまう事はまずないだろう。

次に体つきの方であるが、紳士クンはヒゲが全く生えず、体毛も少ない。

脚のムダ毛にしても、本家の女である撫子よりも少なく、

肌はきめ細やかで色白で、肩の線はなよやかで、

手の甲にはゴツゴツした部分は一切無く、撫子よりも女の子らしい手をしているのだ。

ちなみにこれだと撫子は本物の女子の割に、

イマイチ女らしさが足りないのではないかと思われてしまうが決してそうではなく、

彼女は異性だけでなく同性にもモテる、外見も中身も魅力的な女子だ。

が、『女の子らしさ』という点にだけ絞ってみると、

残念ながら、生物学的には男の紳士クンの方に軍配が上がってしまうのだ。

そんな訳なので、声や外見の面で紳士クンが男だとバレてしまう確率はほぼゼロで、

現に今乗っている電車の車両の中でも、

紳士クンが実は男じゃないかと疑う者は一人も居らず、

憂いに満ちた表情を浮かべ、

ドアの傍に学生鞄を両手で持って佇む紳士クンの姿は、

同世代の女子ですらもちょっとドギマギしてしまうほどに、

女の子らしさに溢れていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ