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13 嫌な予感
場所は再び紳士クンの家。
紳士クンは自分の部屋で撫子と、
ストリートなファイトをするテレビゲームで対戦しながら、
令太と伴兆太郎の到着を待っていたが、どちらもやって来る気配がないまま、
時計は約束の午後一時を指した。
「二人とも、まだ来ないなぁ」
紳士クンがそわそわしながらそう呟くと、撫子が落ち着いた口調でこう返す。
「道に迷ってるんでしょ。ホントに分からなければ連絡してくるわよ」
「そ、そうだね」
紳士クンは頷いてそう言ったが、
胸の奥では何やら嫌な予感がしてしょうがなかった。
そしてその予感はズバリ的中していたのだが、
今から起こる惨劇を止める事は、もはや今の紳士クンには出来ないのであった。




