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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅴ  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンと、日曜日の決闘
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12 静香と色雄

 更にその頃、

静香は薄いベージュのブラウスと膝下丈のプリーツスカートに身を包み、

例の古書喫茶に向かうべく、お出かけの準備を整えていた。

今日のコンセプトは

『休日をのんびり過ごす為の、頑張らないオシャレコーデ』である。

そしてひと通り準備を終えた静香は、

 「それじゃあお兄ちゃん、今日は家で大人しくしていてね」

 と言い残し、玄関のドアをそっと閉めて出て行った。

そしてその家の廊下には、両手と両足を粘着テープで固く縛られ、

口も粘着テープで塞がれた、静香の双子の兄の色雄が、

悲愴なうめき声を上げながら転げまわっていた。

 「モガガーッ!モガガモガモガモガ、モモガモッガモガーッ!」

 静香ーっ!俺も撫子さんの所へ連れて行ってくれ―っ!

と、言っているが、今日の静香は撫子の所へ遊びに行く訳ではなかった。

残念。



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