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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅴ  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンと、日曜日の決闘
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6 男でいくか?女でいくか?

 それとほぼ時を同じくして、凄木令太は伴兆太郎よりもやや遅れて、

紳士クンの家に向けて出発した。

というのも、今日着て行く服のコーディネートに、

思いの他手間取ってしまったからである。その理由は、


 『今日は男の格好で行くか?女の格好で行くか?』というものだった。


 今日、紳士クンの家に遊びに行くのが確実に自分一人だけだと分かっていれば、

令太は迷うことなく男の格好をして出かけていただろう。

しかし今日は、あの伴兆太郎も紳士クンの家にやって来る恐れがあるのである。

それを阻止するべく、

令太は莉伊汰率いる凄木家のメイド達を刺客として送り込んだのだが、

もし万が一それが失敗し、伴兆太郎が紳士クンの家に辿り着き、

迂闊(うかつ)にも自分が男の格好で紳士クンの家に参上した所を、

伴兆太郎に目撃されてしまったら、

そこで令太は男の身でありながら女子校に通っている事がばれてしまい、

これ以上ない弱みを握られる事になる。

そうなれば令太は退学に追い込まれる事になるかもしれないし、

そうでなければ、それをネタに陰湿な脅しやユスリに(さら)される事になるかもしれない。

そう考えた時、念には念を入れて、

今日は女の格好で紳士クンの家に行った方がいいのではないかと、

そう結論を出すのに、少々時間を要してしまったのである。

なので今日の令太はクリーム色のブラウスに黒のロングスカート、

淡い水色のカーディガンを羽織り、髪はハーフアップでお団子にまとめている。

コンセプトは、

『この格好なら、もしあのホモ野郎が来ても俺が男だとはバレねぇだろう。

別にこれで蓋垣の気を引こうなんていう訳じゃねぇから勘違いすんなよな』

である。



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