31 リーダーはエシオニア学園の事情にも詳しい
「凄木令奈?もしかして、生徒会長である凄木令の妹の?」
「その通りだ。あんた、ウチの学園の事に詳しいんだな」
「へっ?あ、いや!あの学園はウチのチームの縄張りにあるからな。
内部の噂もちょくちょく入ってくるんだよ」
郁子は目を泳がせながらそう言ったが、
伴兆太郎はそれを気にするでもなく言葉を続ける。
「そういう事なら話は早い。顔は分かるか?あいにく写真がないんだが」
「それなら問題ないよ。
あの凄木会長とそっくりで、見目麗しき生粋のお嬢様なんだろ?
それが中身はあんたを手こずらせるようなおきゃん(・・・・)だったとはね。
こいつは面白くなってきやがった」
「頼めるか?」
「もちろんだよ。それに、喧嘩番長のあんたが認める相手だ。
アタイも一度タイマン張ってみたくなったよ」
「言っとくが、あくまで明日一日、
何処か適当な場所に閉じ込めておくだけでいいんだからな?
痛い目に遭わせろって話じゃねぇんだ」
「分かってるよ。ウチのチームの奴ら全員で取り囲めば、
どんなはねっ返りでも大人しくついて来るだろう。
手荒な真似は極力しねぇから安心しなよ」
こうして伴兆太郎の方も作戦が決まり、明日それが実行される事となった。




