20 凄木家の大豪邸
一方、時をほぼ同じくして、凄木家のお屋敷の令太の部屋において、
ある重要な極秘の話し合いが行われていた。
ちなみに凄木家のお屋敷は、針須尚の大豪邸に負けず劣らず、
否、それに輪をかけて豪奢で壮大な建物なのであるが、
その中にあって、令太の部屋は至って質素でシンプルなレイアウトであった。
寝る為のベッド
(ただし、その下に何が隠されているかは定かではない)、
勉強する為の机
(その鍵付きの引き出しに何が仕舞われているかは謎である)と椅子。
様々なジャンルの本が並んだ本棚
(その中にイカガワシイ内容の本が隠されているかどうかは、いささか疑わしい)
があるくらいで、他に取り立てて描写するような物は何もない。
まあ、映画を見たくなればシアタールームが別にあるし
(スクリーンの大きさは、一般の映画館と同程度のサイズである)、
音楽を聞きたければ、専用のホールがあるし
(大規模なコンサートができるステージと音響設備が整っており、
直接歌手やバンドや楽団を招き、生の演奏を聴く事ができる)、
運動をしたければ、テニスコートやバスケットコート、
屋内プールに乗馬ができる牧場、更にはゴルフコースまであり、
自分の部屋に色々物を揃えなくても、屋敷のどこかしらに、
やりたい事ができる設備が完璧に取り揃えられているのだ!




