18 アメリカのアニメ映画並みの撫子のリアクション
「な、何ですってぇっ⁉」
その日の夜、紳士クンが姉の撫子の部屋に赴き、
明日の日曜日、令太と伴兆太郎がここに遊びに来る事を告げると、
勉強机に向かって数学の課題に励んでいた撫子は、
首がもげるかと思われるほどの素早さで紳士クンの方に振り向き、
眼球がその場にゴロンと落ちるかと思われるほどに大きく目を見開いてそう叫んだ。
そしてすぐさま立ち上がって紳士クンの元に歩み寄り、
鎖骨が砕けるかと思われる程の力で紳士クンの肩を両手で掴んで声を荒げた。
「令太が来るのはいいけど、伴兆太郎もここに来るってどういう事よ⁉
何であのホモ番長がここに遊びに来る訳⁉
あいつはあんたが女の乙子ちゃんだって思い込んで、身を引いたんじゃないの⁉」
それに対して紳士クンは、この状況と肩の痛みに顔をゆがめながらこう返す。
「そ、それが、伴君はどうやら、女の子に扮した僕にも、
その、恋をしちゃったみたいなんだ」
「な・・・・・・」
それを聞いた撫子は、アゴが床に落ちるかと思われるほどに口をあんぐり開け、
すんでの所でそれをこらえて言葉を続ける。
「つまりあいつは、あんたが男だろうが女だろうが、
同じように好きになっちゃったって事?」
「そ、そうみたい・・・・・・」
ひきつりまくった笑みを浮かべてそう答える紳士クンに、
撫子は気持ちを切り替えるように一旦頭を下げ、
再び顔を上げて紳士クンをまっすぐ見据えてこう問いかける。
「それは、まあ仕方ないとして、何で明日ここに来る事になったの?
まさか、あんたが誘ったの?」
「ち、違うよ!じ、実は・・・・・・」




