15 図書館における図書委員の言葉は絶対説
が、それより一瞬早く話を切り出したのは、
いつの間にかこの場の主導権を握った静香だった。
「という訳で、このままではどうにも話がまとまりそうにもないので、
図書委員である私が、この場を仕切らせていただこうと思います」
「ああ?何であんたに仕切られなきゃいけねぇんだよ?
一体何の権限があってそんな事言うんだ?」
令太が露骨に不服そうな声を上げるが、
静香は静かに、しかし威厳のある態度でこう返す。
「私は図書委員。そしてここはエシオニア学園の図書館。
図書館においての図書委員の言葉は、
新約聖書におけるイエス様のお言葉の如く絶対なのです。
なのでお二人は、図書委員である私の言葉に従わなければなりません」
「な、なるほど。あんたの言い分は尤もだ。
俺は、あんたの言葉に従う事にするぜ」
根が素直な伴兆太郎はあっさりと静香の言葉に従い、
色々突っ込みたい様子の令太も、それをグッとこらえてこう問いかける。
「フン、それならそれでいいけどよ、
じゃああんたは、この話をどう収めてくれるっていうんだ?」
それに対して静香は、伴兆太郎と令太を交互に見やってこう言った。
「明日は、番長さんと令奈さんが二人で仲良く、
乙子さんのお家に遊びに行くという事でどうでしょう」
「なっ?」
「なぁっ?」
「何ですってぇっ⁉」




