表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/158

10 撫子がよく見る怖い夢

するとそんな中、

 「ちょっと!いつまで寝てるのよ紳士⁉早く起きないと遅刻するわよ⁉」

 という声と共に、紳士クンと瓜二つの顔立ちの、ひとつ年上の姉の撫子が、

ノックもせずに乱暴に紳士クンの部屋のドアを開け放ち、

無遠慮にズカズカと入って来た。

撫子は既にエシオニア学園の女子部の制服である、

セーラーカラーの付いた白を基調としたワンピースの制服に身を包んでおり、

まだ起きたばかりの様子の紳士クンを見て、一層声を荒げた。

 「まだ着替えてすらいないじゃないの!

・・・・・・っていうか、どうしたのよその汗?

まさかあんた、具合でも悪いの?」

 ぶっきらぼうな口調ながらも、一転して心配そうな顔色を浮かべる撫子。

いつもアタリはキツイが、何だかんだで紳士クンの事を常に心配し、

気にかけているのだ。

その辺りの事は紳士クンも重々分かっているので、何とか笑みを取り繕ってこう返す。

 「だ、大丈夫。ただ、ちょっと怖い夢を見ただけだから」

 「怖い夢ぇ?それくらいの事でそんなに汗だくになるなんて、

あんたもまだまだお子ちゃまねぇ」

 そう言って肩をすくめる撫子だが、

撫子もよく、紳士クンが自分の傍から居なくなる夢を見て、

『紳士ぃっ!』と叫びながら跳ね起きる事があり、

それは一生紳士クンに明かされる事のない秘密の話である。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ