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サクリフィス・ヘイト

作者: アステール

小説を書くのは初心者なので温かく見守ってほしいと思います。


感想や誤字脱字の報告に協力して頂けると助かります。


名前などの付けかたも正しいかどうかは、不明です。


キャラの会話は、少なめになっています。

 いつの時代も変わらない。

 何かを救うためには、何かを犠牲にしなくてはいけない。

 それでも、守りたいと願うから―――――――



 ❚       ❚       ❚       ❚       ❚ 



 ストレザという剣と魔法が存在する星で生まれた、運命を背負った少年の物語


 ∬


 ある日、バーロルス帝国に3人目の皇子が誕生した。

 国を挙げて、人々は一週間もの間祝い続けた。


 ―――― バーロルス伝記 誕生 より抜粋



 ❚       ❚       ❚       ❚       ❚


 俺は、バーロルス帝国の第3皇子 フレルセ・バーロルス

 今年で10歳になる。あとは、親しい者からは、「ルセ」と呼ばれている。 

 赤ちゃんの頃の話は、恥ずかしいのもあるから絶対に言わねぇ

 最近ハマってるのは、読書をすることと、身体を動かすことだ。


 一番上のウェイス兄上は、王太子としての期待を背負っている。兄上は文武両道で、総合では最強とまで言われている


 二番目のファーロス兄上は、戦闘において天武の才を持っていて、ウェイス兄上にも勝る。それを理解しているから、騎士団に入ってウェイス兄上を支えようとしているんだ


 俺は、そんな二人のことを尊敬している。それに、小さい頃から俺のことを可愛がってくれている

 両親は、国の事が忙しくてなかなか会えない。それどころかここ1,2年は全くあっていないから、余計にそう思うのかもしれない


 まぁ、そこらへんは置いといて。俺には魔法の才があった。これだけは、兄上たちに負けないものだ

 この力を使って俺は、必ず2人のことを守って見せる



 ❚       ❚       ❚       ❚       ❚



 5年が経ちあれから数か月して、ウェイス兄上が皇帝に、ファーロス兄上は騎士団長になった

 それからすぐ、隣国との小競り合いが頻繁に起きるようになった。

 ウェイス兄上の予想では、今年中に大きな戦争が起きる。そうなると、騎士団長としてファーロス兄上は必ず戦場へ向かうことになる。最悪の場合は、死だ


 絶対に、失うわけにはいかない。二人はこの国にとっての希望なんだから



 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 戦争が始まる。ここで、この会議の場で、納得させなきゃな


「なぁ、ウェイス兄上。いや、ウェイス様」

「どうした?」

 俺が真剣だったからか、兄上の声は少し硬かった

「戦にはファーロス兄上じゃなくて、俺を行かせてくれないか」

「なっ!」


「…なんで、お前が行かなきゃならねぇ」

 ウェイス兄上はこの場で言われると想定していなかったのか驚いていた。けれど、ファーロス兄上は驚いた後すぐ立ち直って俺を問い詰めてきた。

「簡単だ。ウェイス兄上を守るためにファーロス兄上に残ってもらいたいからだよ」

 真実と噓を混ぜて言った。理由の全ては話さない。話してしまえばきっと止められてしまうから


「そうか…」

 ファーロス兄上は完璧には信じていないようだったけど、一応納得してくれたみたいだった


 その場にいた臣下達も、俺の案に賛成した

 王であるウェイス兄上は、臣下達の声を無視することは出来ない。

 だから兄上はこう決断するはずだ

「第3皇子 フレルセに命じる。戦場に赴き敵を殲滅せよ」


 ごめんな、兄上我儘な俺をどうか・・・くれ

「はっっ」

 俺は跪き王の命令を受けたのだった


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 戦争は結果的にバーロルス帝国が勝つことが出来た。しかし、それに伴う犠牲も少なくはない

 終戦の合図を聞きながら朦朧とした意識の中俺は、本で知った誰かの言葉を思い出していた


『 何かを救うためには、何かを犠牲にしなくてはいけない 』


 なら俺は、兄上たちを救うために自分を犠牲にする


 初めからわかっていたことだった、魔力を使い切ってしまえば死んでしまうという事を

 だがそのことは、魔法使いしか知らない。俺は、生まれた時から知っていた。

 きっと、魂が理解していたからだろう


「フレルセ皇子っ!」誰かの叫び声と、体が浮く感覚を最後に意識を失った



 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「‥‥のむっ」「フ‥セッ」


 あぁ、兄上たちが呼んでいる。目を覚まさねぇとな

「に‥う え」

「「ルセ」」

 そこには、俺と兄上たちしか居なかった


「なぜ黙っていたのだ」

「一人で抱えるなよ」

 どこかの魔法使いが教えたんだな。

 ウェイス兄上も、ファーロス兄上も優しいなぁ。暖かさに触れて自然と口角が上がった


「ごめん。‥許してなんて言わねえ、憎んでくれて、かまわ…な‥い」

 死が近づいているせいで、話すだけで息が切れる

 でもこれだけは伝えたい

「 ま も り た か っ た 」

 そうだ、ただそれだけなんだ


 兄上たちが驚いた後に顔をくしゃくしゃにしていた。

 ははっ、初めて見るな


「「バカだなぁ、ルセは」」

 そう言って、包み込むように微笑んで

「「そんなの言われたら、許すしかないじゃん」」

 抱きしめてくれた


 最後まで俺は、可愛がってもらえて幸せ者だ

「ぁ…が と」

 どうか兄上たちは、寿命が尽きるまで幸せに

「 い き て 」



 俺はそれを最後に永遠の眠り居ついた




 ❚       ❚       ❚       ❚       ❚



 第3皇子が戦争によって死に、国は悲しみに沈んだ。


 しかし、弟の願いを叶える為に立ち上がった賢く強い兄皇子たちの言葉に、姿に民達は明るい未来を見た



 この時から、バーロルス帝国は大陸でもっとも歴史の古い大国へとなっていった


 ―――― バーロルス伝記 終 より抜粋


サクリフィスは、フランス語で「犠牲」

ヘイトは、ドイツ語で「英雄」


とネットで調べたら出てきたので、作品の題名にさせてもらいました。



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