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プロローグ

はじめまして! 『雨編みひゅるり~』です!

温かい目で見ていただけると幸いです。

これからよろしくお願いします(*- -)(*_ _)ペコリ

「―――それでは皆さん、良い夏休みを過ごしてください。」

(…あっ、寝てた。)

 担任が話をしている中、居眠りをしていたのは中学二年生の白雪上春(しらゆきうえはる)

 退屈な時間をスキップできてちょっぴりラッキーだったと思いながら下校の準備をするのであった。

「よっ、バッチリ寝てたな。」

 ワザとらしくにやけながら近づいてくるのは上春(うえはる)の小学校からの友達、青羽歩(あおばあるく)だ。

 実は割とイケメンという無駄要素に少し腹が立つ。

「あの先生何回も同じ話するから眠いの!」

「ははっ、確かに。まあでも終わったことはいいじゃん、帰ろうぜ。」

 溜息(ためいき)をつきながら(うなず)き、荷物を肩に掛け立ち上がる。

 この先で語るのは、その帰り道の会話である。

「夏休み入って早速だけど明日空いてる?プールでも行こうぜ!」

「あー、ごめん。丁度夏休み初日から家族で旅行に行くんだ。」

「んんー!そっか、いつ帰ってくる?」

「結構すぐ。二泊三日だよ。」

「おっけ、速攻で押し掛けるぜ!」

(うわぁ、朝早くから家に押し掛けてピンポン連打しながら『ラジオ体操しに行こうぜ!』とか言いそう…。)

 実際に去年の夏休みも小学校でもそうだった。

「ちなみにどこ行くの?」

「RO県に行くんだよね。山も海も綺麗(きれい)だし写真撮るの楽しみ!」

 僕がそう言うと(あるく)はとても目を輝かせる。

「おおおおお!そこって例の超ヤバい心霊スポットあるところじゃん!」

 あ、これは不味い。行き先を誤魔化(ごまか)せば良かったかな。

 (あるく)はオカルト研究部(以下オカ研)に所属していて、そこのエース(?)なのでこういう話には興味津々なのだ。

 ちなみに他ではどうか知らないけど、この街でオカ研といったら並の不良なら逃げ出すほどの荒くれ者揃いである。

 部活内で遠征企画を立ち上げ、写真をガシガシ撮りまくったりその他色々…。(話が長くなるので省略)

 そして僕もどこかへ出かけるとなればその度に(あるく)は写真をせがんでくる。

「―――それでさ、結婚式の帰り道で夫が事故で亡くなって悲しみのあまり後を追って海に飛び込んだ新婦さんが化けて出るって訳よ。」

 さあ来るぞ、いちにのさんはいっ…!

「そこの写真、撮ってきてほしいなっ。」

 ホラキター。

「あ、でもマジで危なそうだったらすぐに…」

「はいはい…、楽しみにマッテテネー。」

 今日は僕の機嫌も良いのもあってか、いつもよりすんなり受け入れてしまった。

 毎度毎度頼まれすぎて感覚がマヒしてるのかもしれない。。。


  ★


 そして夜が明け夏休み、今日から待ちに待った家族旅行が始まる。

 父さん、母さん、僕、弟、妹の五人で素敵な三日間を過ごす予定なんだ。

 一日目はRO県IM市のキャンプ場で寝泊まりした。

 夕食はカレーだった。

 とてもド定番ではあるけど、両親は料理がとても上手だから美味しすぎて気にならなかった。

 月や星も綺麗だし空気も澄んでいる。

 ここ数年で最高の夜を過ごしたかもしれない。

 でも、問題は二日目だ。

 この日はOY市のビーチへ行った。

 海辺のホテルにチェックインした後は、弟と妹を引き連れて泳いだりして遊んだ。

 水遊びに疲れたら一緒にソフトクリームを食べたり、街を見て回ったりした。

 あっという間に時間は経ち、僕の腕時計は17時を示す。

 今にも眠りにつきそうな二人をホテルにいる両親に預けたらもうやることは分かっている。

 そう、例の写真を撮りに行く時だ。

 ―――パシャ

 防水のカメラを持ち、少しずつ人気(ひとけ)の無くなってきた砂浜を歩く。

 ――――カシャ

 夏なので日は長く、沈むのはまだまだこれからって感じ。

 ―――パシャ

 高い木や岩が影になっている方へ好奇心が動く。

 ――――カシャ

 ちょっとした洞窟に入る。

 ―――パシャ

 目と鼻の先に光が見える。

 ――――カシャ

 もう立ち入り禁止なんて関係ない。

 ―――パシャ

 光を抜ければ、そこは裏の海岸だった。

 僕はここでシャッターを切る手を一旦止めた。

 今まで(あるく)の頼みで何十回と写真を撮る事を引き受けてきた中では、恐怖の様な『危機感』も視線の様な『違和感』も感じたことはない。

 だけど。

 この僕が、たった今この瞬間、その二つを同時に体感している。



 …足元で。

 視線を移した刹那(せつな)、海から突然伸び出てきた腕に足首を掴まれ、海の底に引きずられていく。

 直前に視界に入ったその手には指輪をしていた。

 この時僕が思ったこと一つ目。

 ああ、お化けって本当にいたんだって。

 二つ目。

 シャッターを切れなかった事が悔しかった。

 三つ目は、

 思いつく前に死んだ。


いかがだったでしょうか??

どこか懐かしさのようなものを感じていただけたのなら嬉しいです。

ちなみに、フィクションの地名のアルファベットは『○○県』とか『××町』みたいなものですので特に意味は込めてません(笑)。

それではこの辺にして僕は失礼しますので次のお話も楽しんでいってください!

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