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朝と目覚まし
「もうそんなみっともない」
気持ち悪い声の液体が耳の奥で這いずるとき
私達は一歩ずつ大人になる
「夕焼け小焼けでまた明日」は来ないから
ただただ終わりを待っている
君達はゴミ溜めのお布団に包まって
「友達百人できるかな」を実行した高校生の将来は
恋に仕事にバーベキューに忙しい
彼等の舞台裏トークは誰も知らない
嫌でも平等に来てしまう朝を
押さえつけられたら楽になれると
きらきらを見ながら、虚無。
何者かになりたい気持ちは
紐を付けて
遠くに飛ばしたり深くに沈めたりした
頭を掴んで溺れさせるみたいに
もう一度
深くに沈めた
目を覚ます前




