冒険者ギルド
じいちゃんの家に住み始めて1年が経とうとしていた。
「リクよ、また本を読んでおるのか」
「知識は大切だからな」
俺はこの家に住み始めてから毎日のように本を読んでいた。
本を読んでいるうちにいろいろ分かったことがある。
1つ、ここは地球ではない。
2つ、魔物と呼ばれる怪物がいる。
3つ、ステータスというものが存在する。
4つ、人はスキルと呼ばれるものをひとつ持っている。
5つ、魔法がある。魔法が。(大事なことなので2回言いました)
他にもいろいろ知っているがひとつどうしても分からないことがある。それは…じいちゃんは何者かということだ。この家には本が1000冊はかるくある。本というのはかなり高価な物らしい。そんな物を何故たくさん持っているのかかなり不思議だ。
「そういえばじいちゃん」
「なんだ?」
「じいちゃんって何者なんだ」
「わしか?わしは魔導師だが」
「そういうこと聞いてんじゃない」
俺と会話をしているとじいちゃんは何か思い出したかのように手を叩いた。
「リクよ、いい忘れていたのだがわしはこれから王都に行くが、ついてくるか?」
「本を読むのも飽きてきたし俺も行くよ」
「なら倉庫に剣と金が入った袋が置いてあるから持っていけ」
♢♦︎♢
「準備できたぞじいちゃん」
「よし行くぞ。じっとしとれよ」
俺とじいちゃんの下に魔法陣が現れ、激しく光った。数秒で光はおさまり目を開けると王都に移動していた。
「これが魔法か」
「すごいだろ。リクよ」
「…ああ」
俺は魔法を一度も使えたことないがいつか使えるようになったらいいなと思った。だってかっこいいじゃん。
「それじゃわしとは当分お別れだな」
「元気でなじいちゃん」
「リクも元気でな。と、そのまえにこれをリクにやろう」
じいちゃんは袋から禍々しいツノを取り出した。
「なんだこれ?」
「じいちゃんからのお守りだ。いつか必ず役に立つだろう」
「いらねぇよ。こんな禍々しいもの」
「そう言わずに」
「ったくしょうがないな」
俺は渋々持っていた袋の中に入れた。どこかに捨ててやろうかと思ったのは内緒である。
♢♦︎♢
じいちゃんと別れた俺は本で読んだときから気になっていた冒険者ギルドにいった。
冒険者ギルドの建物は普通の一軒家ぐらいのサイズの木の建物でかなり立派だ。大きさだけだが。見た目はかなりボロボロで今にも壊れそう。大丈夫かな?
俺はそっとドアを開けて中に入る。中は意外と綺麗だった。
「何かご用ですか?」
俺に受付嬢らしき人が声をかけてきた。
「登録をしたいんですが」
「分かりました。少々お待ちください」
受付嬢は奥から丸い水晶らしき物を持ってきた。
「こちらに触れてください」
俺は言われた通りに手を水晶に触れた。
水晶に触れると文字が浮かび上がった。
Lv1
HP200/200
MP1/1
攻撃1
防御1
魔力1
魔防1
幸運300(固定)
スキル
非戦闘員
(鍛治、錬金術、魔法付与、料理などのスキルを使うことができる。その代わり魔法が使えなくなる)
「HPが少し高いことと幸運があり得ないぐらい高いくらいであとは低すぎですね」
「そ、そうですか」
ステータスが低すぎだがレベルを上げていけばいずれ強くなれるよな。よしこれからレベルを上げて強くなるぞ。
「すいませんが、あなたを冒険者にするわけにはいきません」
その一言で俺の決意はガラスのように砕け散った。
「大丈夫です。そのスキルと幸運があればきっといい鍛治師になれます」
「俺は冒険者になってダンジョンに入りたかったのに」
この王都にだけダンジョンと呼ばれる物がある。そのダンジョンに入るにはCランク以上の冒険者で尚且つギルドマスターに認められないと入ることはできない。ちなみにランクは上からS、A、B、C、D、E、Fとなっている。
別に入らなくてもいいじゃないかと思うだろう。確かに入らなくてもいい。しかしダンジョンの最下層には元の世界へ帰る方法があると本に書いてあった。俺は元の世界にこれっぽっちも未練はないが、元の世界へ帰る方法には興味があったから行って見たいと思った。
「なら勇者様の従者になってはどうでしょう」
「それでダンジョンに入れるのか?」
「はい、しかし勇者様の従者になりたいという人は大勢いますので……」
俺は受付嬢の言葉を最後まで聞かずにギルドを飛び出した。