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死にました

 


 俺の名前は佐藤陸(さとうりく)。何処にでもいそうな顔の高校二年生だ。


 何故いきなり自分の名前を語り出したかというと、俺は後数分で死んでしまうから最後に自己紹介でもと思ったからだ。


 何故後数分で死ぬと分かるかだって?それは俺の背中に刀が刺さっていて、地面には俺の血で水溜りができているからだ。


 何があったかというと俺の親父に後ろから刀で刺されたのだ。しかも数十回は刺された。その時に『お前さえいなければ』と連呼していた。どうやら俺を相当恨んでいたようだ。


 俺は恨まれる理由が分からない。俺は親にわがままを言ったことも反抗したことさえない。自分で言うのもあれだが俺はかなり良い子だったと思う。親に迷惑をかけないようにしていた俺からしてみたらかなり迷惑なことである。


 死ぬのが怖くないのかだって?そりゃ怖いよ。でも騒いだって死ぬことには変わらない。だったら醜く騒いで死ぬよりも静かに死んだほうが俺らしくていいじゃないか。


 と、そろそろ意識が朦朧としてきた。それでは俺の17年間の人生はこれにて終了です。もし次があるなら俺は自由に生きてやる。


 そして俺は意識を失った。



 ♢♦︎♢



 死んだはずの俺は気がついたら知らない部屋のベッドの上にいた。


「あれ?俺、死んだはず」


 自分の背中を確認するが刀はおろか傷すら残っていなかった。


 他に異常がないか自分の体を触ったり動かしたりして確認しているとドアから爺さんが入ってきた。


「目が覚めたか。ならこれを食べなさい」


 爺さんは俺の前にお粥?らしき物を置いた。

 俺はお粥?に毒が入っていないか確認しようと思ったが助けてくれたであろう人を疑うのはさすがに失礼なので確認するのはやめた。


「あ、ありがとうございます」

「かまわん、かまわん、さぁ食った食った」


 俺は勢いよくお粥?を頬張る。味も見た目もお粥だった。とても美味い。俺がお粥を食べていると爺さんが…。


「お主が玄関の前で倒れておったときはびっくりしたぞ。まぁ元気になってなによりだ」

「そうなんですか。あまり覚えてませんが」

「そうか。まぁよい、ゆっくりしていけ」

「ありがとうございます」


「そういえば、お主の名前を聞いていなかったな。ちなみにわしはモーゼだ。気軽にじいちゃんと呼んでくれ」


 モーゼの爺さんは手を俺の方に持ってきて握手を求めてくる。俺はその手を握って握手をした。


「俺は陸だ。よろしくモーゼさん」

「よろしくリク。それとわしのことはじいちゃんと呼べ」


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