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この憤りをどうするべきか!!

思いどおりに行かなくて苛々しちゃう!

 『この憤りをどうするべきか!!』の続編です。

 分からない人は前作から読んでください!





*誤字脱字を直しました。



  もうプンプンだよー!!



 私の名前は寿 エリナ 青葉高校に通う一年生でありこの世界のヒロインよ。せっかく『君のハートをロックオン』、略して『君ロック』の世界に転生出来たのに肝心の悪役ヒロインが舞台の学校自体にいないなんて~~~どうなっているのよ~~。


『君のハートにロックオン』


 青葉高校という舞台で繰り広げられる学園乙女ゲーム。攻略対象はそれぞれにとっても深い心の闇を抱えているの。苦しんでいる攻略対象達と一緒に学園行事を成功させたり、各キャラの心の闇をはらしながら恋を育んでいく恋愛ストーリーがスッゴくハラハラドキドキする大人気恋愛ゲームなんだ!!


 攻略対象は~


 生徒会会長   一ノ宮 雅 

 生徒会副会長  二ノ宮 聡

 生徒会書記   三ノ宮 綾斗

 生徒会会計   篠宮  護 

 生徒会庶務   五十嵐 雄二  

 生徒会顧問   六条  典康


 もうみんなすっっごいイケメンで!

 し か も お金持ちなんだよー!!

 

 この世界が大好きな『君ロック』だと気付いた時にぜ~たい逆ハーするって決めたのに、どーして最上 由緒がいないのよ!!彼女がいないと一ノ宮先輩と三ノ宮先輩。五十嵐先輩と六条先生の出会いイベントが起きないじゃない!!


 最上 由緒は一ノ宮先輩の婚約者の女の子。

 彼女自身は一般家庭で育った一般人なんだけど、彼女の父方のお祖父さんが財界でも有名な資産家なの。一ノ宮先輩と三ノ宮先輩と五十嵐先輩と六条先生のお家は何年か前に多額の負債を負ってしまったんだけど、なんでもそのお祖父さんが融資をしてくれたんだって。

 

 理由は分からないわ。


 でも、その融資がきっかけで一ノ宮先輩は最上 由緒と婚約。他の3人も融資がきっかけで彼女の言いなりになってしまっている………はず、なんだけど…………。


 どうして?どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして????


 ここは乙女ゲームの世界で私はヒロインなのよ。最上 由緒がこの学校に入学しなかったせいで入学式のイベントがおきなかった。



 ………もしかして、彼女がいないせいで他のイベントも起きないなんてことはないよね!?



 入学式が終わってからひと月経った。

 最上 由緒が関係していない二ノ宮君と篠宮君のイベントは無事回収出来たけど、どうにも好感度が上がっているように感じないんだよねー、何でだろ??もちろん嫌われてわいないわ。でも、どちらかというと仲のいい友達止まりの雰囲気が漂っているのよね~~~。



 んー?訳が分からないよ~~~~(泣)



 そしてそれからふた月が経った6月半ば。

 あれから相変わらず一ノ宮先輩と三ノ宮先輩、五十嵐先輩と六条先生のイベントがあまり上手くいっていない。

 何とか回収出来るイベントは全部回収したんだけど、相手の反応がいまいちなの。

 

 二ノ宮先輩と篠宮先輩に関しては有り得ないことに他の学校に好きな人がいるらしいの!?ヒロインの私がいるのによ!

 マジ、ホント、信じらんない!!


 お昼休みや放課後にそれぞれ偶然を装って接触した時に知った衝撃の事実。


 2人とも前世の私が画面越しに見たスチルの、はにかむような優しい笑顔で言っていたのよ!特に二ノ宮先輩なんてご両親が提携先の人に騙されて負債を背負わされそうに日から人間不信になっちゃってヒロインの私と関わるようになってまた人を信じられるようになったのよ!!


 あくまで未遂だったから最上 由緒のお祖父さんにお金を借りることはなかったけど。それでも彼の中には忘れられない記憶としてこびりついていたの。


 そんな彼がこんな顔するだなんて!!!


 一体どこのどいつよ!あの2人はヒロインのモノよ!!


 絶対に許せない。


 とりあえず2人の好きな子が鳴神高校に通っているのは分かったんだけど、ガードが固すぎてそれ以外は聞き出すことが出来なかった。そりゃあ話は合わせていたけど、あんまりしつこく聞いちゃうと不信感をもたれちゃうじゃない!!イベントを全部回収出来たのはこの2人だけなんだよ!?嫌われるかも知れないことをするわけにはいかないわ………。



●○●○●○●○


 今日で一学期の期末テストも終わって気が抜けているクラスメート達は指折り数えて夏休みを楽しみに待っている。もちろん私も楽しみにしているわよ?夏休みにも攻略キャラ達との大事なイベントが盛りだくさんだもの!

 

 な の に 。


 まだ誰とも夏休みに会う約束がとれないの!!

 個人・集団デートの約束も、花火大会で一緒に行く約束も、プールや海に行く約束もどれもこれも大事なイベントのはずなのに、ひとっっっつもよ!!

 いくら何でもおかしすぎるわよ!!この世界のヒロインたる私を、誰も気にしないのよ!!!


 やっぱりこれって………最上 由緒が悪役ヒロインとしての役割を果たしていないせいなの………?


 だって、そうとしか考えられない。最上 由緒は一ノ宮先輩が惹かれはじめている私、寿 エリナに深い嫉妬心を抱いてくるの。そしてお祖父さんからお金を借りている三ノ宮先輩や五十嵐先輩、六条先生も次々と私に惹かれはじめてしまって下僕同然にこき使っていた最上 由緒は玩具を取り上げられた子供みたいに癇癪をお超し始める。


 そしてあろうことか初恋相手である篠宮先輩や密かに気になっていた二ノ宮先輩も私に惹かれているのを知って陰湿なイジメを繰り広げるの。


 攻略キャラ達はそんな醜い最上 由緒に嫌気が差してますます私に惹かれていってしまうの。


 もうホントーに最高なのよ!!!!

 優秀なイケメン達が牽制しあって私にありとあらゆる方法で愛を求めてくるの。

 定番の壁ドンからちょっとしたプチハプニングやエロチックな展開。まさかまさかの押し倒し(未遂)イベントまであってキャアーーーーーー!!


 だ か ら 彼らは私のモノだわ。誰にも絶対渡さないし、あげないんだから!


 ふぅ、でも本当に最上 由緒はどこに行っちゃったんだろ?


 最終日のテストは午前中で終わった為、私はさっそく攻略キャラ達に会いに行ったんだけど…………………………誰もいなかったの。

 教師である六条先生も学校にいなかった。先生は理事長の付き添いで一緒に外に行ったんだって。


 …………他のみんなもホームルームが終わり次第、すぐ帰っちゃったて。


 なんでよ。なんでなのよ………。どうしてヒロインたる私を攻略キャラ達は蔑ろにするのぉ!!おかしいよぉ、訳わかんない!システムがバグってんじゃないの!?これも全部、最上 由緒のせいよ。私の為にいる悪役ヒロインなのにその役目を放棄して青葉高校に入学しなかった最上 由緒のせいよ!!!って、え?



 あ、あそこにいるのは………最上 由緒!?



 あんな所に手を組んで座って、何してんの??服装も、制服じゃなくてジャージを着てるし?………て、そうじゃなくて!ようやく見つけたわよ、悪役ヒロイン!!


 私は一直線に最上 由緒のもとに走って行った。


 アンタのせいでイベントが台無しよ!どうしてくれるのよ!!え、何の話し?私が誰かって……あぁ、本当にムカつく!!いいこと!私はあんたが自分の役目をちゃんと果たさなかったせいで苦労してんの!


 そもそもこんな所で一体なにしてんのよ!?えっ、アーチェリーの大会?これから出番だから精神統一の邪魔をしないで欲しい?アーチェリーなんて弓構えて弦を引いて矢を放つだけじゃない!!そんなことより私の話しを聞きなさいよ!!!


 これ以上騒ぐようなら人を呼ぶ?………あったまきた。なにが、アーチェリーよ。なにが大会よ!!こんなもの!!!


 私は近くにあったアーチェリーの弓を掴んで力いっぱい地面に叩きつけた。


 ピッシッ


 ちょうど下にあった石に当たった弓は跳ね返り軸辺りに大きな亀裂がはしった。 

 最上 由緒は、私の弓!!って、血の気が引いた顔をしながら私が叩きつけた弓を持ち上げて茫然としていた。ふふん。いい気味よ!


 多少気の済んだ私は茫然自失状態の最上 由緒をその場に残して立ち去った。



 ヒロインの役に立たないでいるから悪いのよ。バーカ。



●○●○●○●○


 夏休みが終わって二学期が始まった。

 夏休みの間は何とか攻略対象達のみんなと過ごすことが出来たけど、いくらイベントを回収してもみんなの好感度が上がった手応えがなかった。


 みんなどこか上の空で、私の話しもまともに聞いてくれないの。


「は~あぁ、イベントを回収しても好感度はあがらないし………どうすればいいのよ…………」


 ガックリ肩を落として歩いていた。攻略キャラ達は生徒会の仕事が忙しいから誰も私と帰ってくれない。もうすぐ文化祭だからみんなはその準備に追われているの。

 もちろん、私も手伝うって言ったんだけど人手は足りてるからって帰されちゃった。


 一人寂しくトボトボ歩いていたら私の前に誰かが立っている気配を感じた。


 おもむろに顔を上げたら────。


「ヒィい!?」


 そこには私を射殺しそうな目で睨んでくる最上 由緒と、鳴神高校の制服を着た男子高生と女子高生の3人がいた。


「由緒ちゃん。この子で合ってる?知り合いに片っ端から聞いて調べてみたんだけど……?」

「わざわざ調べてもらってありがとうございます。高瀬副部長。はい、間違いありません。この人です」

「コイツが最上の弓を割った奴か、でかした春奈」

「ひっどいな~佐賀くん。私のこと信用してなかったの?」


 3人共、和やかに話し合っているけれど、私を見る目はどこまでも険しかった。


「さて、ちょっと私達と話し合おうか。私もアナタには聞きたいことが色々あるし」


 逃がさないよ。



 最上 由緒の言葉に、私は更に苛々してしまう。



 人数引き連れて何様のつもりよ。あぁ、そうね。アナタは悪役ヒロインだからある意味それで正しいのよね。



 いいよ。受けて立つわ。だって私はこの世界のヒロインなんだもの!最上あくやく 由緒ヒロインなんかに負けないんだから!!!








 最初の台詞にヒロインのウザさを感じてくれたら嬉しいです。


 次の続編も書き上がり次第、投稿します。気長に待っていてください。



            風光でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] なかなかにワクワクしてきました。 続編をお待ちしております。
[一言] 凄いイライラしますね。 どうやって散ってくれるのか。
[気になる点] バラバラの短編ではなくひとつにまとめてほしいかな? 連載なら新着情報で更新されたのがわかるのですが 短編だと作者マイページを巡回しないと新作あぷに気付かないので [一言] 結局夏休み終…
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