表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺し屋、始めました。  作者: カピバラ
モノクロ
70/78

シロ 伍




路地裏。どこかの店の青いポリバケツのゴミ箱が乱立している。



 「だぁああ! クソクソクソ!! ……もう全員蹴散らしてやろうか……ッッッ!」



体を鍛えるためのランニングが、命懸けの逃亡になってしまった。火照る体を冬の風が冷やしていく。

 


 「逃げてんじゃねぇよクソガキィ!!」 


 「熊谷組舐めてんじゃねぇぞ!!」



怒声にイラつきながらも、後ろを振り帰る。先ほどよりも人数は減り、4人だけになりそれも2人はリタイア寸前だ。一本道の人一人通れるぐらいの路地裏。対面するのは一対一。逃げきれるという保証もない。やるならばここしかない。


全力疾走していたところを、急に停止しUターンする。奴らは驚き、急停止し慌てふためいている。シロが行ったことは実にシンプルだ。殴りかかってきた腕を掴み、ドアノブを捻るのと似たような動きで腕を回転させる。ホタルの技術だ。相手の力を利用し、受け流すだけには終わらずカウンターを決める。



 「お、お、お、おぉ!?」



ふわり、と先頭に立っていた男の体が持ち上がった。ホタルの技術を使い、相手の力を利用して体を持ち上げているのだが、奴らにはこう見えているのだろう。男をそれも大人を片手で持ち上げるほどの力があるのだと。そのまま後続に並んでいるところに放り投げて、舌打ちをする。すると、奴らの一人が何かを思い出したように叫びだした。



 「い、今の……見たことあるぞ。あの怪力……あ、あれじゃねぇの!? ヒカリ製薬にいたあいつ!!」


 「な、『ナイト』だっていうのか!? ……すすす、すいませんっしたぁああ!!」


 「オイ、待てよ!! 追いてくな!!」



ドタバタと熊谷組とやらが逃げていく。イマイチ状況が掴めぬまま、路地裏を抜けると、またあの公園にたどり着いた。思わぬ裏道を見つけてしまった。しかし、近道にはならなさそうだ。自然公園というだけあって無駄に広い。少しだけ辺りを見渡すと、見知った顔がいた。赤凛ドウ。自分自身のことをヒーローと名乗っていたが、以前出会ったヒーローとは態度から何まで違い多少信憑性に欠ける。そんな彼は木に引っかかったボールを取るために木に登っていた。



 「おにいさん! がんばってー」


 「ま、任せて……ぅおいっしょ!! うわぁあ!?」



なんとかボールは取れた。そう思った瞬間、枝が折れ、そのまま地面に落下したのだ。これだけで彼は貧乏くじを引くタイプの人間なのだなぁ……としみじみ思わせた。ありがとー、と手を振り走る少年に笑顔で手を振るドウ。一応声をかけることにした。



 「プライベートも大変だな、ヒーロー」


 「あ、シロさん。えぇっとちゃんと名前で呼んでくださいよ……」


 「でも、お前はヒーローなんだろ?」


 「ん……ちょっと座って話しましょっか」



というと、一番近くにあるベンチに腰掛けた。ドウをチラリと見てみる。どう見てもあのヒーローとは違うような気がするのだ。正義感はあるのだろうが、なんというか違和感がある。



 「パセリくんからのメール見た? 出動は今日の23時だってさ」


 「今日かよ……メールって言っても俺携帯持ってないからさ。今度買いに行かなくちゃな」


 「お金……大丈夫なの?」


 「なんとかするさ」


 「武器とかはどうするの? 多分支給できないよ?」


 「なんとかするさ」


 「そう……それじゃ早めに準備するためにも帰ろっか」


 「おう」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ttp://narou.dip.jp/rank/manual.php
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ