バッドエンド②
ビルの上空をマスコミのヘリが飛んでいた。ビルを取り囲むようにやじうまやマスコミがいた。デパートに次いでまたもテロか!? というテーマの報道らしい。
その近くの路地裏。ボロボロの二人組がいた。夏川のクローンと袋野ホタル。革命軍、つまりヒカリ製薬のほとんどを潰した主犯。お互いに肩を組み支え合っている。クローンの方はボロ雑巾のようになり、ホタルの方は胸に鉄串を抜いたせいで穴が空いているが服を破って詰め止血している。
「東城……オイ! 東城はどこに行ったんだ!?」
「……俺達の本来の目的はユリの保護だ。場所はわかったんだ、急ごう」
「答えろ……」
「……」
「まさか、見捨てたのか……?」
「……」
「アイツは! 死にそうになりながら助けに来てくれたんだぞ! 金髪バカで女はちょっと苦手で、そのくせちょっかいだして……バカでウザったいやつだったけど、アイツは私達を助けに来てくれたんじゃないのか!?」
「……俺だって。俺だって!! こんなはずじゃなかった! 偽物の俺って分かりながら命を張って助けてくれた! そんな奴を見捨てたいだなんて思うわけない……」
「それなら!!」
「手遅れだったってわかったんだよ。それにアイツはユリを助けに行けって言ってくれたんだ!……ここまでしてくれた相手のお願いは聞くしかないだろ……」
ホタルは一度唇を噛み、それ以上何も言おうとしなかった。苦虫を噛み締めたような表情をして近くに停めていたバイクを取りに行く。
◇
◇
◇
かつて鈴科を奪い合ったVIP御用達のホテル。前回とは違い、正面からではなくゴミだしなどをする時に使用する裏口から侵入する。虫の息ながらも荘厳な廊下をゆっくり歩いていく。
「ホタル。ここまででいいよ」
「何故だ。私も行く」
「これは俺が決着をつけないといけないことなんだ。お前は救急箱でも盗んできてくれ」
「…………お前が頑固なのは知ってるよ」
ふらふらと歩くホタルの背中を眺め彼は思う。
正直に言って、嬉しいのだ。自分が偽物の存在だと知りながらここまで付き合ってくれた。彼女にはいつかお礼をしなくては。そんなことを考えながら廊下を歩く彼の耳に、小さな、しかし聞いたことのある声が届いた。
「…………ユリ……!」
ユリを助け出せばようやく終わる。この忌々しい全てが。
ユリの声が聞こえた部屋のドアノブを器用に壊して、強引にVIPの部屋へと入っていく。




