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VSテロリスト⑥



アナウンス室。



彼らの目の前の扉にはそう記載されている。



ここに、例の『クロネコ』のリーダーがいる。夏川は血のあふれる肩を抑えながら、東城へアイコンタクトを取る。東城も頷いて、ドアノブへと手をかけ、勢いよく開いた。



 「うぁぁああ!? あぁ!!」



開けた瞬間。鬼の形相で一人の男がパイプ椅子で殴りかかってきた。


その程度なのか、と東城は舌打ちする。ここまでやってきた苦労がこんな発狂してしまっている奴で終わってしまうのかと思うと虚しくなる。



夏川を後ろに下がらせて、パイプ椅子を右手で受け止める、というよりも能力を使い右手の中にいれてしまう。


あまりにもあっさりと。


終わってしまった。



『クロネコ』は腰を抜かしながら、後ずさりをする。涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになっていた。アナウンス室はそこまで広くない。長机の上に放送器具が置いてあるだけで、部屋の広さは学校の教室程度だ。


逃げる道などない。



 「なっ、何なんだよ。テメェらぁ!?」



叫びながら壁際まで逃げていく。ひとまず仕事はないと判断した夏川は扉近くの壁に寄りかかって座りこむ。嫌な汗と血が服にまとわりついて気持ち悪い。



代わりに東城が『クロネコ』に近づき、尋問を始める。   



 「お前らの、目的はなんだ?」


 「ちっ、違うんだよ。俺は、俺はぁ! 『クロネコ』なんかじゃないんだよぉ!!!」


 「何?」


 「とある奴にそう名乗るように言われただけなんだ。俺らはただ装備をもらっただけなんだよぉ!」


 「……そのとある奴ってのは誰だ」


 「い、言える訳ないだろ……言ったら『殺してもらえない』かもしれない……」



つまりは、このテロリスト達はとある奴から『クロネコ』名乗るように依頼されたということだ。


思案する二人をよそに偽クロネコがもぞもぞと何かを取り出した。



タッチパネルで操作する精密機器。その画面に何かボタンのようなものが映っている。



二人はそれに気づかない。その状況に偽クロネコは無理やり笑みを作り、高らかに声をあげた。



 「本当は逃げ切った後に人質を殺すために設置したもんだが……。どうせ殺されるんなら……お前らも道連れだッ!!」


 「「――ッ!?」」



反応が遅れた。偽クロネコが画面上のボタンを押し、ピッと音が鳴る。



瞬間、強烈な爆発音と共にデパート全体が崩壊した。


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