VSテロリスト②
そんなこんなで誰にも見つからぬようにアナウンス室へと二人は進む前に東城の能力で持ってきた装備を確認していた。
「なぁ、東城。見たこともないやつばっかなんだけど」
「俺って結構会社での扱い悪いからな、ヒカリ製薬で作られる試作品使わされるんだよ。はい、試作爆弾、通称『散弾銃』」
「待て。爆弾でそのネーミングってことは手榴弾的なもんじゃないの?」
「んで、これがこの前オマエが倒した『メタルボディ』の能力を解析して作られた防弾チョッキ」
「なんだろう。すごい安心感がある」
以前は銃弾が弾き飛ばされる恐怖しかなかったが味方(原型なし)だとここまで頼もしいものはない。その他にもあらかた試作品で装備を固めていく。夏川はいつものスタイルで爆弾と拳銃。それに防弾チョッキ。東城の方も防弾チョッキを着用しており、武器はその都度で出すということだった。
東城はコキリと、首を鳴らす。戦闘前の癖だ。
「さて、と。クロネコさんを退治に行きましょうかね」
◇
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アナウンス室は7階あるうちの4階。夏川達が今いるのはレストランが軒を連ねる6階。二階降りるだけだが、簡単なことではない。
「わぁーお。いるいるいりやがるぜ。暑そうな服着やがって」
「ちゃっちゃと済ませて晩飯の材料買いに行くぞ」
適当に軽口を叩いて二人は角から奇襲を仕掛ける。大きく広がる人ごみの似合う廊下には障害物となるものがたくさんある。標的は6。獲物はライフル銃。
夏川はベルトから例の『散弾銃』を取り出し、放った。大きく弧をえがき、起爆する。
軽い絶叫があった。性格なコントロールで投げ込まれた爆弾はしっかり仕事をした。しかし、血を吹いて倒れ込んだのは3人。脅威から逃れた残りの3人は戸惑いながらもライフル銃を構える。それが一歩遅い行動だと知らずに。
『クロネコ』の一人の目の前に東城の左手が迫っていた。拳ではない。大きくめいいっぱいに開かれている。その男は知らない。
『ポケット』と揶揄される東城の能力を。
キュガッッッ!!と人がノーバウンドで壁に叩きつけられる。東城が何かをした様子はない。左手は届いていなかった。
それでは何が排出されたのか。答えはただの空気。大出力で放たれた空気砲は並の爆発物よりも威力がありそうだった。
しかし、残りの男達にはそんなことはわからない。あるのはただの恐怖感。意味の分からない脅威が目の前に現れて圧倒的な力で蹂躙する。それだけで、もう立ち向かおうとする気力は損なわれた。
死角から黒髪が現れるのを彼らは見た。しかし、そこまで。それ以降の記憶など、立ち向かおうとしない人間にあるはずもなかった。




