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最低の冬  作者: 虎安
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長浜美紀1

「と……取り敢えず話し合いましょ……あなたたちの欲しいアレとかいうものなんか僕持って無いですからね。あの…だからそれ下ろしてもらえませんかね?」


世の中なにが起こるかわからないというが今ほど、予想外の出来事はないだろう。そもそもなにが悲しくて拳銃を突き付けられてるのだろうか。


すべてはあの女のせいだ……


ーーーーーーーーーーーー


この不況下、学歴がなきゃ人間カスみたいに扱われる。それは男女共に関係無いことであり、学歴のある美人は合コンや会社のパーティなどで、都合の良い男を見つけ結婚し幸せになる、学歴がない女の行き着く果ては、馬鹿な男と結婚するか、風俗とAV嬢になるかだ。

まぁ、男に関しては学歴に関わらず女には飢えているようで、こんな店も儲かりつづけるのである。


俺自身このゲスい業界に身をおいていたくているわけではない。現実大学には行ったが、所詮いけたのは三流大学で仕事に着くもうまくいかず、結局流されるように風俗で副店長なんてポストに収まっているのである。そもそも今年29の俺に副店長を任せるのもどうかしているが、まぁそこは二流風俗店だ、人がいないってのが現実だろう。俺がこの店に入ったのが6年前、6年間も女の汚い所を見続ければ女性不信にもなるってもんで、彼女はおろか女への興味すら年々薄らいで行っている。


「おいっ!藤堂うちで働きたいって子が来るから面接しといてくれ」

店長が顔を出し俺にそう告げた

店長の八木は仕事をしてるとこは見たことないが、元(今もかもしれないが)バリバリのヤクザで年齢は知らないが背中には龍が彫ってあり、スーツ姿ですら筋肉の付きが常人レベルで無いことははっきりとわかるほどだ。という事でヤクザとの繋がりも深く店の不祥事やその他の事には、きまって最後は怖い人たちが出てくるのだ。

俺を拾ってくれた恩はあるのだが、たまに腹が立つ事もある。


「わかりましたよ、何時ですか?」


「えっと、13時って言ってあるからあと二、三十分だろ。俺は用があるから店の方も頼むな!じゃあいってくるわ!」


八木さんは最近よく用があると出かけて店にいないことが多い、そもそも店にいても寝てるので関係ないのだが 。


このご時世だ、風俗嬢になりたいという女が最近増えている。無論雇えば金がかかるので美人が来てくれた方がいいのだが、やはりなかなか美人はこないのが現実である。面接なんて言っているが結局は、美人で金になるかを見るのが目的なのだ。


コンコン……

裏口のドアがノックされたので、ドアを開けた。正直連日の夜勤で疲れていたが、面接のため一応見れる格好にはしておいた。


「あの……面接に来た…長浜美紀です……」

そこにはニット帽をかぶったやや小柄な女性がたっていた。

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