夜桜 第2話
(非日常)
車で龍衛高校へ向かう途中一輝から色々なしきたりや校則等を聞かされた。
とりあえず俺が学校について一番最初にやることが自分の武器を作ることらしい
。その武器の威力はその人の力に比例するらしいが…
一通り話を聞き終わったとこで学校についた。
「龍衛高校へようこそ!」
車から降りるとそこには城にも見えそうな巨大な建物が存在した。
「ここが龍衛高校…凄い…」
今まで見たことのない学校にただ圧倒されるだけだった。
「さぁ行こうか。君にはやらなきゃならない事が沢山あるんだから!」
一輝はそう言うとつかつかと歩いて行く。俺も急いで後を追う。
しばらく歩いていると鍛治場についた。
「じゃあさっき言った通り武器を作ってもらうよ!」
そう言ったら一人の大人の男性が現れた。
「よぉ!俺ははここの鍛治職人を任されている宮川俊久だ!よろしくな!」
とても体格が良く少しビビるが、こちらも名乗らない訳にはいかないので、
「橋谷憐です。よろしくお願いいたします。」
と最低限度にとどめておいた。
「じゃあ早速武器作っていきますか…」
といって近くから鉄のような塊を取り出した。
「これは…」
見たこともない物に驚きを隠せず質問する。
「あぁ…これはレステメタル。特殊な武器を作るときのみに使われるんだ。これ
は人の特殊能力の一部をすいとるんだが、並みの人間だと全部取られて危険なん
だ。しかし特異体質ならほんの少し取られるだけですむ。まぁレステメタルの説
明はここまでにして剣か銃か選びなさい。どちらか一つを作ろう。」
そう言われ、真剣に考える。昔剣道をやっていた事を思いだし、
「じゃあ剣をつくります!」
と答えた。
「わかったよ。じゃあこの三つの中から一番好きなタイプを言ってね」
と言って三つの剣を渡してきた。剣についてはあまり詳しく無いので一番持ちや
すい日本刀に近いタイプを選んだ。
「これな…わかったよじゃあちょっと待っててね!」
そう言うと剣を鍛え始めた。自分で一から作ると思ってた俺は拍子抜けしてしま
った。
それを見透かしたのか宮川さんが、
「あぁ…自分で作るって聞かされたから全部自分でやると思ったんでしょ。でも
君がやるのは最後の仕上げの時だけだからな…それまで学校案内書でも見てて!
」
そう言われた。近くにあったイスに座り案内書を見ていると一輝が来た。
「いたいた!待っている間にテストの話をしよう。実力診断テストが君一人行わ
れるんだ。まぁ…転入試験みたいなもんかな…その前になんで先に武器を作るか
知っているかい?」
と言ってきた。
「知らない…」
と言ったら、
「いいかい?レステメタルは君の力を引き出す。その時に君の特異体質の力を全
て引き出す。そして常に覚醒状態にしてくれるんだ!それに君はマスタークラス
だから通常以上の力を常に有する事になるからね…気をつけて…」
と細かく説明してくれた。
説明が終わりしばらくすると、
「橋谷くん来てくれ!!」
と宮川さんに呼ばれた。すぐ行くと、
「では…これを持ってくれ…」
と言われ剣を握らさせられた。そして握った瞬間急に脱力感が襲ってきてよろけ
てしまった。朦朧とする意識の中で宮川さんが、
「これを越えたら楽になるから頑張れ!」
と言ってくれた。
言われたようにしばらくしたら脱力感が無くなり逆に力が溢れて止まらなくなる
ぐらいになっていた。
「よぉーし…完成だ!!予想以上だな…さぁ銘をつけなさい。」
と言った。
迷ったすえに:夜雨に決めた。
そして剣を作り終わると一輝と一緒に試験会場へ向かった。
会場につくと、若い男性が立っていた。
「君は…橋谷憐くんだね。話は聞いているよ…僕は学年トップの田島健だ。よろ
しくね。じゃあ始めるか!さぁ剣を抜きなさい…」
そう言ってお互い剣を抜いた。
「始め!」
一輝の合図によって俺たちは剣を交えた。
夜雨のせいで覚醒状態にある俺は通常とは全く違う感じで戦っていた。
どれくらい経ったのだろうか…次に攻撃をしかけようとしたとき、一輝が
「それまで!」
と言って終了の合図をした。
俺は剣を収めふらふらと近くのベンチに腰かけた。
そうしたら田島が近づいてきた。
「一輝から聞いた通りだ。マスタークラスにふさわしい力だよ!…まぁ君ならど
こ行っても平気だ!頑張りなよ!」
と言ってくれた。
「ありがとうございます!」
とお礼を言っていたら一輝が来た。
「お疲れ様!さぁ今日はもう部屋に戻ろう!!制服とかは部屋にあるから安心し
てね♪じゃあ案内するからついてきて!」
そう言って歩き出した。俺は気力を振り絞ってついて言った。3分ぐらいするとマ
ンションみたいな場所についた。
「さぁここが君の寮だよ!ここの三階にあるからね!」
そう言ってなかに入り、三階についた。
206号室が自分の部屋らしい…
「じゃあここの鍵ね!あと明日は8時00分に迎えに来るからそれまでちゃんと準備
しててね!」
そう言って鍵を渡したら去って行った。部屋に入ると荷物が色々置いてあった。
風呂に入り、目覚ましをかけるとベッドに倒れ込んで眠り込んだ。
翌日、アラームで目をさました
一輝いわく朝食はクラスで食べるらしくとりあえず制服を来ておいた。この制服
は多機能で、ポーチが沢山あり、銃を入れるケースもある。
支度を終えて部屋でゴロゴロしているとインターホンが鳴った。
出てみると一輝が来ていた。
「おっ!制服似合ってるねぇ♪んじゃクラス行こうか♪」
そう言って歩き出す。ついていってしばらく歩いていたら、
「君の事はもう噂になっているよ!マスタークラスに転校してくるって…まぁ大
変だろうけど頑張って!!」
と言われた。噂になっていることがちょっと心配だった…
そんなことを考えていたら、クラスについた。
「悪いけど僕は別のクラスだからここまでしかついていけない…頑張って!なん
か困ったらメールしてね♪」
そう言ってアドレスを教えると静かに去っていった。
しばらくクラスの前に立っていると
「あれ…君は…もしかして橋谷君かな?」
と教師らしい女性に話しかけられた。
「はい、そうですけど…あなたは??」
と言うと
「私は貴方の担任の桐原美奈です。よろしくね!じゃあ入りましょうか!」
そう言ってドアをあけた。
恐る恐る入ってみると待っていたのはやはり沈黙だった。非常に気まずかったが
桐原先生は何事もなかったように話を進めて行った。
「というわけで新しく転校してきた橋谷憐くんです。」
そう言うとこちらを見たので
「橋谷憐です。迷惑をかけるかもしれませんがよろしくお願いします。」
と言っておいた。
「じゃあ…とりあえず好きなとこに座ってください。」
そう言われたので真ん中の席に座った。
席に座ると隣の奴が話しかけてきた。
「俺如月迅!よろしく!」
「まぁさっき言ったけど橋谷憐。よろしくな!」
と答えておいた。
朝食を食べる雰囲気にいつになってもならずどうするのか疑問に思い聞いてみる
と…
「え…朝食はHRが始まる前に食べるんだぞ?もしかして知らなかったのか…?」
と答えた。わざとなのかは知らないが一輝が話していたのは嘘と言うことがわか
った。
今更どうすることもできず途方にくれていると、
「これ余計に買ったパンなんだけどいるか?」
とパンを取り出して聞いてきた。
「もちろん!…ありがとう♪」
そう言ってありがたくパンをもらい、朝食はなんとかなった。
しかしまだ授業まで40分くらいあったので如月に頼んで学校を案内してもらうこ
とにした。
一応職員室、医療室、食堂、実技室を案内してもらい、残間は学校についてまだ
わかってない事を教えてもらった。
なんだかんだで如月とは仲良くなった。
そして授業が始まった。ここの授業は特殊で自分のレベルごとにクラス分けされ
、そのクラスごとに決められた科目を学ぶのである。マスタークラスは戦闘、T
クラスは考戦、Sクラスは狙撃、Iクラスは諜報、Rクラスは医療を学ぶ事になっ
ている。
早速授業が始まり、トレーニングしていると、
「あれ!?憐!?なんでここにいるの…??」
と言って懐かしい女子学生が近づいて来た。そいつは幼なじみの中澤沙織だった
。
「なんでって…ここの生徒だからに決まってんだろ…」
そうは言ったが反論されると色々と面倒なので水族館で起きた事など色々説明し
ておいた。話終わると
「まさか憐がマスタークラスだったなんて…」
と沙織は驚いていた。
「私は考戦科を専攻してるのよ!なんか困った事があったらメールしてね!出来
るだけ助けるから。」
「ありがとう!!」
はっきり言って沙織の存在は有りがたかった。
そしてトレーニングを再開したが、力を押さえきれずに、出しすぎてしまい、意
識を無くしその場に倒れ込む。気がつくと目の前に一人の女子学生がいた。
「あっ気がついた!…大丈夫??」
と聞いてきたので、「なんとか…ありがとう!」
と答えた。そして、「えっと…君は誰?」
と聞くと、
「えっと…私はRクラスの中田沙雪。よろしくね♪」
と自己紹介した。
「よろしく!それと…ありがとう…」
「気にしないで!えっと…君の名前は…」
と聞いてきたので、「俺の名は橋谷憐…よろしく!」
と答えておいた。
それからアドレスを交換した後一時間くらい談笑していたら桐原先生が来て、
「もう大丈夫そうだな、これからは気をつけて!じゃあ今日は自分の部屋に戻っ
ていいよ。」
と言われたので再度中田に礼を言って部屋に戻る。
部屋に着くとベッドに倒れこみ、眠りについた。そしてしばらく何事もなく過ぎ
て言った。転校してきて10目の昼にある出来事が起きた。