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第11章 午後の陽光に輝く永遠の約束

その午後の城館は、柔らかな陽光が庭園の薔薇を金色に染め上げ、まるで私たちの恋を祝福するかのように優しく降り注いでいた。

私は東屋のベンチに腰を下ろしたまま、公爵からの手紙を胸に当て、静かに目を閉じていた。

十九歳の私の心は、昨夜の情熱と今朝の温もりが、まだ甘く残る余韻の中で、静かに波打っていた。

ドミトリー・イヴァノヴィチ・ヴォロノフ公爵の力強い筆致で綴られた言葉は、私の胸に深く刻まれ、侯爵の影を完全に払拭するほどの確かな安心を与えていた。

風が薔薇の花弁を優しく揺らし、噴水の水音が静かに響く中、私は手紙をもう一度丁寧に読み返した。

その内容は、領地の視察が順調であること、そして夕方には必ず私の元に戻るという約束、そしてボリソフ侯爵の件が完全に決着したという報告であった。

私は静かに微笑み、心の奥底で深い満足を覚えた。

ざまあみろ、という思いが、午後の陽光のように静かに、しかし力強く広がっていった。

あの四十歳の男が、舞踏会の夜に公然と挫かれ、遠くの領地で孤独と怒りに苛まれ、今やすべての私兵の企ても潰され、国王陛下の命令により領地全体が厳しい監視下に置かれ、宮廷への出入りが永久に禁じられた姿を想像するだけで、胸の棘が完全に消え去るようだった。

前妻たちの疑惑に関する裁判が正式に始まり、彼の過去の罪が次々と明るみに出ていく様子は、私の心に甘美なる解放感をもたらしていた。

私は手紙を銀の封筒に戻し、東屋の欄干に寄りかかった。

陽光が私の淡い金色のドレスを優しく照らし、十九歳の私の輪郭をより一層優雅に浮かび上がらせていた。

公爵の恋人として生きるこの日々が、まるで夢のように美しく、現実の重みを持って私の人生を満たしていた。

しかし、心の片隅では、この幸福がもたらす波紋が、まだ微かに残っていた。

宮廷の貴族たちからの新たな噂、そして家族の反応、そして侯爵の最後の足掻きの残滓。

それでも、今この瞬間、私は公爵の愛に完全に身を委ね、未来への希望を強く抱いていた。

午後の時間がゆっくりと流れ、城館の庭園は静かに息づいていた。

私は東屋から立ち上がり、小道をゆっくりと歩き始めた。

足元で朝露の名残が優しく光り、遠くの森から鳥のさえずりが聞こえてきた。

心の中で、公爵の言葉が繰り返し響いていた。

「君には、あんな男より俺の方がふさわしい。」

「俺の女になれ、エレナ。」

その誓いは、婚約破棄の夜から、ますます深く私の胸に刻まれ、十九歳の私の純粋さと女性としての目覚めを優しく育んでいた。

城館に戻る頃、執事が控えめに私を迎えた。

「伯爵令嬢殿。」

執事の声が、静かに響いた。

「ロマノヴァ伯爵殿と伯爵夫人が、サロンでお待ちです。」

「公爵殿からの支援に関する詳細な書類が、届いております。」

私は頷き、サロンへと向かった。

廊下のタペストリーが、私の歩みを優しく見守るように感じられた。

サロンに入ると、父のパーヴェル・アレクサンドロヴィチ・ロマノヴァ伯爵と母のソフィア・ミハイロヴナが、大きな窓辺のテーブルに座っていた。

テーブルの上には、公爵からの分厚い書類が丁寧に広げられていた。

父の表情には、深い安堵と感謝の色が浮かんでいた。

母は私を見るや否や、優しく微笑んだ。

「エレナ。」

父の声が、低く穏やかに響いた。

「ヴォロノフ公爵殿の支援は、想像を遥かに超えるものだ。」

「我が家の借財はすべて清算され、領地の管理も公爵家の信頼できる者たちが引き受けてくれる。」

「これで、ロマノヴァ伯爵家は完全に安泰となった。」

私は静かに椅子に腰を下ろし、家族の顔を順に見つめた。

「父上、母上。」

私は優しく、しかしはっきりと言った。

「ドミトリーのおかげで、私たちの家は新しい未来を迎えられます。」

「そして、私は彼の恋人として、来月には結婚の儀式を迎えることになります。」

母は私の手を優しく握り、目を潤ませた。

「あなたがこんなに幸せそうで、本当に良かったわ。」

母は震える声で続けた。

「ボリソフ侯爵のあの貪欲で冷たい視線から、あなたが完全に解放されたことを、心から喜んでいます。」

父は書類を指差し、静かに言葉を加えた。

「公爵殿の報告によると、ボリソフ侯爵の領地は今、国王陛下の直接的な監視下にあるそうだ。」

「彼の私兵の残党もすべて捕らえられ、裁判の証人として証言を強要されている。」

「侯爵自身は、館の中で孤立無援の状態に陥り、宮廷からも貴族社会からも完全に切り捨てられた。」

私はその言葉に、静かな勝利の喜びを感じた。

心の奥底で、ざまあみろ、という思いが、再び甘く深く広がっていった。

あの男が、私の十九歳の花をただの所有物として貪欲に求め、恐怖と不快を植え付けてきた報い。

今、彼はすべての権力を失い、過去の罪に苛まれ、孤独の底で後悔に沈んでいるに違いない。

サロンの会話は、穏やかに続いた。

父は公爵の支援内容を詳細に語り、母は私の結婚準備について、控えめに喜びを述べた。

私は果実水のグラスを唇に運びながら、夕方に戻る公爵の姿を、静かに思い浮かべていた。

その甘美なる期待は、私の胸を優しく温かく満たしていた。

午後の陽光がサロンの窓から差し込み、家族の顔を金色に輝かせていた。

この瞬間は、私の人生における幸福の頂点のように感じられた。

しかし、物語はまだ穏やかではなかった。

執事がサロンの扉を静かに開け、控えめに声を掛けた。

「伯爵令嬢殿、公爵殿。」

「ヴォロノフ公爵がお戻りです。」

その知らせに、私の心の鼓動が速まった。

私は立ち上がり、サロンを出て玄関ホールへと急いだ。

公爵は馬車から降り立ち、黒い上着に銀のブローチを付け、金色の髪が午後の陽光を受けて輝いていた。

その青灰色の瞳が、私を捉えると同時に、ホール全体の空気が甘く濃密に変わった。

「エレナ。」

公爵の声が、低く優しく響いた。

「ただいま戻った。」

「君の元に、約束通り。」

私は彼の胸に駆け寄り、静かに抱きついた。

「ドミトリー。」

私は囁くように言った。

「あなたのおかげで、家族も私も、すべてが黄金の光に満ちています。」

公爵は私の腰を抱き、額に優しいキスを落とした。

その感触は、午後の陽光のように温かく、私の全身を微かな熱で満たした。

「君には、あんな男より俺の方がふさわしい。」

公爵は再び、その言葉を低く繰り返した。

「俺の女になれ、という誓いは、永遠に変わらない。」

私は彼の胸に顔を埋め、静かに目を閉じた。

心の中で、愛の炎が静かに、しかし激しく燃え上がっていた。

侯爵の影は完全に消え、公爵の情熱だけが、私の人生を永遠に照らしていた。

家族がサロンから出てきて、公爵に丁寧に挨拶をした。

父と母の表情には、深い感謝と安堵が浮かんでいた。

公爵は家族に向き直り、穏やかな声で語り始めた。

「ロマノヴァ伯爵殿、伯爵夫人。」

彼は敬意を込めて言った。

「支援の書類はすでにご確認いただけたと思います。」

「結婚の儀式は、来月、ヴォロノフ公爵家の大聖堂で執り行います。」

「その日まで、毎日エレナの傍にいることを、約束します。」

家族の会話は、穏やかに続き、午後の城館は幸福に満ちていた。

私は公爵の腕に寄り添い、陽光に輝く庭園を眺めた。

この午後は、私の恋がさらに深まる予感に満ち、未来への永遠の約束を静かに紡いでいた。

城館の日常は、優しく動き続け、私たちの運命を金色の光で包み込んでいた。

















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