反抗期の男の子の話
「勝手に俺の部屋に入ってくんなよババア!!」
「掃除するだけなんだからいいでしょ」
「ダメなものはダメなんだよ掃除は俺がやるから!!」
最近の俺と母さんはこんな喧嘩ばかりだ
だけど入ってきてほしくないのには理由がある。
反抗期ってのもあるかもだけど、もう一つは……母さんにサプライズで誕生日プレゼントを買ってるから……見られたくないんだ。
いつも頑張ってる母さんには喜んでほしいから。
俺だって別に母さんのことが嫌いって訳じゃない、むしろ尊敬してるし産んでくれたことさえ感謝してる。
いつも母さんは自分の誕生日なのにプレゼントを買おうとしない……だから俺が母さんの代わりにプレゼントを買おうと思ったんだ。
そして母さんの誕生日当日
母さんの訃報で目が覚めた。
母さんが仕事に向かっている最中に転倒したさい車に顔を轢かれて亡くなったと。
俺はこの日の夜母さんとの最後の顔合わせとなった。
「なあ、寝たふりしてんじゃねえよババア起きてんだろ……返事してくれよ……母さん!!」
「健ちゃんよくわかったね母さんが寝たふりしてるって」
「だよな、そうだよな。母さんが死ぬなんてありえないもんな」
「健太くん……現実を受け…………」
「母さんは生きてるんだ、ほら今だってちゃんと立って歩いてるじゃないか」
「そっ、そうね健太くんの言う通りね」
この日から学校でも近所でも俺は憐れみの視線を向けられるようになった。
「俺はなにもおかしくなんてないんだ!!」
「坊や占いでもしていかないかい? 無料だよ」
「母さんどうする?」
「おや坊やは視えるのかい……だったら話は早いね」
「なっ、何を……息が…………」
「大丈夫だよお母さんにはすぐに会えるから」
俺の意識はそこで途切れた。
「これで手駒は四体……こいつらを混ぜればさらに強いのが生まれる。霊と霊を混ぜ合わせ続けワシがこの腐った世界を救済するのじゃ!!」
おしまい
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