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第八十一話 姉の力

ーーーーその力の差は、圧倒的だった。


 ダンジョンの壁すら貫通させられる、エリーゼのカノン砲。


 それを耐えきった、化け物の耐久性。



 しかし、それすらもはるかに凌駕して瞬時に切り刻んでいき、目にもとまらぬ速度で屠っていくジェッターの方が、はるかに格上だと言えるだろう。



(…とはいえ、この相手はなかなか面倒デース)


 超高速の世界で一振り、また一振りと刃を振るう中で、ジェッターは考えていた。




 そもそもの話、愛すべき妹たち(多種多様な後継機)…この世界ではエリーゼと言う名を与えられた彼女、量産型とはいえその性能が高い彼女であっても、その攻撃が通用しなかった相手。


 今はこうやって切り刻むことが可能な相手だったが、得られるデータからはこの世界に本来存在すべきではない物質があることが確認できる。


 ダンジョンでは未知が溢れており、その中で量産型であるとはいえその性能が高いメイドが通用しない相手になるレベルの代物…そんなものが簡単に、この世界に生れ落ちて良いものなのだろうか?


 いや、ありえない。



(考えられるのは、外なる神々が、あるいは厄災をまき散らす者か、はたまたは…)


 明かに何者かの手が入った、外部からの干渉。


 そんなものが出来てなおかつ、分析した結果元が人のようだが…それに対して、このようなことをできるものはそこまでいないだろう。



【でもまぁ、せっかくなのでデータをしっかりとるのが正解デース】



 (エリーゼ)の頼みを聞いてやってきたのは良いけれども、自分はそう都合よく何度も来れるわけではない。


 メイドたるもの、脅威がいるのならば、それを乗り越えるだけの力を付ける必要はあり、だからこそ、今は相手にならないとしても、今後のことを考えるのであればたっぷりとそのデータを送ってあげて、後で有効活用してもらうほうが良い。



 やろうと思えば一瞬で片を付けられないわけでもないのだが…それでも、妹たち(後継機たち)の成長を促すために、姉の立場(旧型機)が教えるためには、経験(生贄)が必要になるだろう。





 とはいえ、いくらデータを送りまくったところで、悲しいことのエリーゼは量産型で、処理できるスペックをすぐに超えてしまう可能性がある。


 ある程度の圧縮、データの軽量化を行ったとしても、処理しきれないところも出るだろう。


 それゆえに、送る分量をしっかりと調整しながらも、後でスペック向上のためのアップデート措置を、より上の存在へ送ることもしておくのであった…


ボンッ!!

「うわぁぁぁぁ!?エリーゼからすっごい爆発がしたんだけど!?」


【あ、やべっ、デース‥‥】

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