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第七話 汚い大人もいるもので

―――雑談配信は、成功だったというべきか。


 いや、余計な混沌の爆弾を爆発させたので、失敗させたともいえるか。



「とりあえず、生放送でぶちまけられた件に関しては、ギルド側としては未成年配信者保護の方で動くために、色々とやらなければいけなくてなぁ…お前、本当に配信初めて、マジで浅いのに何で濃い爆弾をこうも…ぐううっ…!!」

「ぎ、ギルド長…抑えませんと、ハゲますよ」

「わかっておる、胃のほかに毛を失うわけにはいかないが…ぐぉおおっ‥‥!!」


「…本当に何か、申し訳ございません」

【毛根数か月後の生存率、およそ12%ほどですカ…】

「さらっとリアルでやばそうな数字を出すなぁぁぁぁぁ!!」


 雑談配信からすぐにギルドに呼び出されたが、どうやら配信中にエリーゼがやった行動が問題されたらしい。


 いや、行動と言うよりも取り出したものが…


「それで、お前らの経歴はこれからギルド長の胃を痛めつけるドS野郎になりつつあるのはさておき…賢者の石とはな…いや本当に、何なのだ、このメイドは…」

【ご主人様の、忠実なメイドですが、何カ?】

「そういう回答じゃねぇ…」


 はぁぁぁっと深い溜息を吐くギルド長に、ずれた回答をするエリーゼ。




 


 配信者が未成年の場合は、ある程度までなら保護者やギルド側が責任を負うのもあるようだが…今回の場合は、軽く超えるものだったらしい。


「賢者の石…マジックアイテムの中でも、ぶっ飛んだものでな…ものによっては桁違いお取引がされるほどの、超希少な物なんだぞ。それが、このメイドの…サブ炉心だったか。それに使われているって、どういえばいいのか…」

「名前からして、相当激レアと言うか、厄ネタ的なものか」

【希少‥?ふむ、ここではそうなんですネ。私の生産ラインでは、量産型のものが結構ありましたガ】

「量産される賢者の石ってだけでも、相当ヤバいモノなんだよ!!と言うか、どこで生産しているんだお前のようなメイドに賢者の石はあぁぁ!!」



「本当にどこで生産されているの?」

【…正直に言えば、座標不明のためわからない部分もありますガ…】


 エリーゼの話によれば、彼女のサブ炉心に組み込まれている賢者の石は、彼女が生産された場所ではそこまで希少なものでもなくなっているらしい。


 元々はそれなりに価値もあったようだが、研究が進む中でどんどん落として…今の形になったそうだ。



「はぁ、ダンジョンで出土するマジックアイテムの中には、本当に別の世界からやってきたものがあるんじゃないかと言う話も有ってな。このメイドの感じからすれば、その話が眉唾物ではない可能性が出てきたが…同時に、賢者の石が量産されるようなヤバい世界もあるのが…考えたくねぇ‥」


 ギルド長の話によれば、賢者の石は錬金術と呼ばれるものででてくるマジックアイテムだが、その価値は並大抵のものとはかけ離れている代物。


 何の対価も要せず、好き勝手に様々な貴金属の生成や、特殊な効果を持つ水を精製出来たりと、その使い道は多く、非常に価値が高いために、出てきたときには下手すると国が動くレベルの大金が動くらしいのだ。



 二人の話からすると、それぞれの価値観が離れすぎているようだが…いかんせん、世界としてはギルド長のほうがこっちでの標準であり、このまままともに情報を流すわけにはいかないようだ。


「下手するとなぁ、その手のやばい組織とかに目を付けられかねないぞ。ギルド側としても、配信者の安全を確保する義務もあるが…正直言ってかばいきれないものもあるからな」

「うわぁ…そこまで、大事になるか…」

【なるほど…ご主人様を害する輩が、出てくるかもト。…ある程度は、お掃除できそうですが…ふむ、それは困りますネ】


 流石のエリーゼも、その厄介さに顔をしかめる。


 彼女がどれほどの強さなのかは、あのワームを屠る姿から想像しやすいが、それでも力だけでは解決できないこともあるだろう。


 実際に、この瞬間にも、もしかしたら、悪だくみをする輩もいるかもしれないのだが…


「そうだろう?まだ若い彼が狙われるのはギルドとしても避けたいというか、色々な厄介者を抱え込む者がいなくなるのも…」


【…でしたら、ご主人様をそんな輩に負けないほど、強くすれば問題ないですネ】

「…は?」

「…え?」



 きらんっと目を光らせるエリーゼのつぶやきに、思わず間抜けな声を漏らすギルド長に異土。


 なんとなく、心の奥底からとんでもない不安が噴き出し始めるのであった…

ぼそっとつぶやかれた、エリーゼの言葉に不安を覚える

一体何をやる気なのか、何をしでかす気なのか、恐ろしい

しかし、将来を見据えれば間違ってはない…選択肢なのか?

次回に続く!!




「よし、贄となって黙って受けてこい」

「贄ぇぇぇぇぇづ!?」

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