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第七十九話 タスケテオネエチャン

【グォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!】

「うわっ、鼓膜が破れそうなほどでっかい声!!」

【明らかに、敵対行動する気満々のようデス!!】



 ダンジョン自体が大きく震えるほどの、強烈な咆哮。


 不気味な巨人はギラギラと輝く瞳をこちらに向け、手を異土たちへ向ける。


【グォゥウウ!!】

ドゴンッツ!!

「なっ!?」

”ひじから先が爆発して、ロケットパンチ!?”

”ロボットじゃないけど、質量的にシャレにならんぞ!!”



 ぶっ飛んでくる巨大な拳。


 突然の攻撃に衝撃を受けるが、それでもすぐに動かなければならない。


「全員緊急回避!!」

【【【了解!!】】】



 瞬時に回避を取ったが、その選択は正しかったようだ。



ドゴォォォォォォン!!

「って、飛んできた腕が爆発するんかい!!」

【戻ってくる設計ではないようですね…あ、再生しましたね】

【わぉ、受け止め切れなくはないが爆発がえぐいな】

【今の感じは、ゲノマタイト‥?いえ、どうやらもっと違う別のものに、内部で構成変化してますネ】


 ロケットパンチどころか、爆発するミサイルパンチ。


 某黒鉄の城の同名の技よりはそれっぽくはあるが、実際に喰らってみればシャレにならない代物である。


「と言うか、ゲノマタイトじゃないって?」

【ハイ。遠距離からのスキャンなので詳細は完全ではないですが、把握できまシタ。あの巨人、全身の8割以上が同じ鉱石で出来ていマス】


 名付けるのならば、ゲノマタイトモドキゴーレム…モドキと付けるにあたって、爆発力は従来のゲノマタイトよりもはるかに下がっているらしいが、同時に薬で無効化できるはずのゲノマタイトではないので、無力ができないようだ。


【グォオオオオオ!!】

ドゴドゴンッツ!!

「って、連続して撃ってきたぁ!?」


 失ったはずの腕もすぐに再生し、重量級の腕がミサイルのごとくぶっ飛んでくる。


 慌てて異土たちは回避を行うのだが、いかんせん質量と物量の暴力と言うのは耐えきれない。


「ぐっ、やばいなこれ、確実に一発でもあったらアウトだろ!!」

”わぁ、やっばいなこれ。アイテム無尽蔵ミサイルポッドじゃん”

”こう、何かないの、大質量の破壊兵器を薙ぎ払えるような、そんなもの!!”


【あったらあったで、とっくの前に使ってマス!!カノン砲が通用しなかった時点で、既に意味が無いのですヨ!!】


 この面子の中で最大火力を放てる、エリーゼのカノン砲。


 ダンジョンの壁も貫通できるほどの破壊力だったはずなのだが、相手の頑丈さがそれを上回っていた。


【他のだと、オレの全力体当たりか、クロハの糸の巨腕か…】

【どっちにしても、火力が次いでなので効果が見込めないのが悲しいですよ!!】


 一撃の火力で大きなものを出せる方法は色々とあるが、それでも最大火力が通用しなかった時点で、真正面から相手をするのは厳しいだろう。


「だからこそ、出来ればこの場から逃げたいけど…」

【そうはいかないようですネ】


【グォオオオオオオオ!!】


 びりびりとダンジョン全体が震えるような咆哮を上げている様子だが、何もあの声だけでダンジョンが反応しているわけじゃない。


 よく見れば、口を開いた時にその中に輝く光が…ダンジョンコアが見えたのだ。


 つまり、最悪なことにこのダンジョン自体が、あの怪物の支配下にあるというわけであり…



ボゴゴゴゴンッツ!!

「何だ、いきなり何かが生えて…いっ!?」

【ゲノマタイト!!】


 一気に周囲の地面に生えそろうのは、巨大なゲノマタイトの数々。


 一瞬にして生成し、それと同時に別の鉱石も生えて…


【不味いデス!!最大反応の…】


 エリーゼが言い終わる前に、ぶつかり合う鉱石群。


 それと同時に、一気に反応が加速したようで、起こる巨大な爆発。


 周囲が何もかも消え失せる、白い閃光がもう、間に合わないと予感させる。


 クロハが異土を守ろうと抱きしめ、周囲をとぐろを巻くようにしてサクラが固めるが、確実に無理だ。




【---っ!!】


 その瞬間、ほんのわずかに飲み込まれる一瞬に、エリーゼが声を上げる。


【ッ…!!助けてください、オネエチャン!!】








【イエス!!量産型後輩(妹たちの一人)の声を聞きトゲ、ただいま参上デース!!】

‘【【「!?」】】


 エリーゼの言葉と共に、閃光に飲み込まれそうになったその刹那、瞬時に異土たちの身体が引き上げられた。


 そのまま一気に距離を取って、気が付けばダンジョンの肉の壁もぶちやぶり、大空が見える場所…星々の明かりに照らされながらも、その姿が映し出された。



 エリーゼに似ているが、違う。


 よりメカメカしい外見でありつつ、背中の大型ジェットパックから伸びているアームが異土たちをつかみ、引っ張り上げたことを示すだろう。


「だ、誰!?」

【おっと、名乗りを上げていなかったのデース!!ある時は天空の国に住まう龍の神がいる城へ、またある時は闇より深い漆黒の黒き女神のもとへ、はたまた別の時は二度と帰れぬ深き森の魔女と悪魔の住処まで、古今東西異界だろうと何だろうと股にかける…】


【型式M-WAZEモデルの元になったモデルの一つ、音速突破メイド!!ジェッター2世デス!!】


 ドォォォンっとバックに爆発を起こし、格好を付けながら彼女はそう名乗るのであった…


【あ、ちなみに二世なのは、前任者が寿退社してしまったので、その後に作られたからデース。正確に言えば、その前任者モデルにちょっと何か変なものも混ぜた試作型版と言えばいいですかネ?】

「いや、そんなことは聞いていないというか…え、と言うかさっきのエリーゼの言葉的に…」

【…ハイ、私の姉妹機…前の方に作られているので、姉の一人デス】


…物凄く複雑そうな表情を浮かべるエリーゼの姿に、何か言いようのないご家庭の事情があるのだろうと、異土たちは察するのであった。

颯爽と現れ、異土たちを危機から救いあげたのは、まさかのエリーゼの姉。

いつの間にかダンジョンからも出されており、脱出はできた。

しかし、危機はまだ残っているようで…

次回に続く!!



…別作品、アルケディア・オンラインに出てきたキャラだったりする。

正確にいうと、今回の彼女はその後継機だから本人ではないが…



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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 >お姉ちゃん参上! 姉で試作型…上位モデルかつプロトタイプということは、(試作型より量産型のが強いリアルと違い)色んなロマンを詰め込んだ素敵仕様のつよつよお姉ちゃんということです…
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