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第七十六話 簒奪者

…ダンジョンの最深部、ラストルームを守る存在。


 それが、ラストガーディアン…ダンジョンの最後の砦にして、そのダンジョン内での桁違いの存在。




 以前、異土たちがとある案件で挑む羽目になった場所は蜘蛛の巣窟だっただけに、巨大な蜘蛛がその座を守っていた。


 イレギュラーな件があったとはいえ、通常であれば並大抵のものでは相手にできないほどの強大な物であり、どれほどの力を有していたとしても油断はできないもの。




 そんな中でこのダンジョン…異土は知らなかったが、このダンジョンを秘匿していた者たちが知っている…この海洋ダンジョン…海の中に潜む巨大な怪魚で出来たダンジョン『ゴルベルズ』のガーディアンは、何が出るのだろうか。


 巨大魚の中だから、巨大な魚か、あるいはカニや蛸、イカなどの海産物か。


 その答えは色々あっただろうが…基本的には、ダンジョンの性質に沿った形である。


 しかし今、新たなイレギュラーが起ころうとしていた。









【ギャオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーー!!】


 咆哮を上げ、全力で全身から溶解液を吹き出して攻撃を行っているのは、ここのラストガーディアンに任命されていた『ジュエルパラサイト』。


 名は体を表すというように、宝石のような輝きを纏った巨大な寄生虫でありつつ、ダンジョンそのものである巨大魚とは共生関係にあり、持ちつ持たれつ強化しあいつつの仲であった。


 だが、その栄華も今、尽きるだろう。



【オゴボボォオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーー!!】


 より醜悪で、凶悪な存在。


 それが、天井を食い破って出現したかと思えば、ジュエルパラサイトの身体をつかみ上げ、引き裂き、貪り食う。


 寄生虫でもあるはずのモンスターが、それ以上にはるかに大きな別の化け物に喰らわれる光景。


 もしも、周囲に目撃者がいれば、より一層嫌悪感を増したのかもしれない。



 何故ならば、彼らの周囲には紅に染まった軍服や、壊れた兵器、その他にも様々な物が…その化け物のモノであったはずのものが散乱しているからだ。


「うっ…ぐぅっ…ぐ、グーデンベルグ閣下…」

「ご乱心を、おやめに…」


 敵味方問わない、力の足りぬ器から溢れ出た分を血肉で補うようにする化け物へ…何者かの手によって変貌してしまった、人間だった成れの果てに対して、生き延びた者たちは声を上げる。


 けれども、その声に応じることもなく化け物は…


【オグォオオオオオオオオオオオ!!】













【---今、何か嫌なものを感知しましたネ】

「どうしたの、エリーゼ?」


 最深部へ向かう中、ふと何かを感じたのか、ぴょこっとヘッドフォンのようになっている耳から小さなパラボラアンテナのようなものが飛び出しまわり始めていた。


【ご主人様、この先へ向かうのは危険でしょウ。今の私たちの装備で対応できないこともないのですが…いかんせん、妙なものを感知しまシタ】

【んー、確かにオレも今、何か感じたような…何だ、このゾワッとするような、おぞましい感じは?】

【私も…何でしょうか、この感じ】


 一旦全員が足を止めたが、どうやら皆同じものを感じ取った様子。


”お?なんだなんだ、何が起きた”

”皆、急に何か感じ取ったの?”

”嫌な予感って…この面子がそう思うほどのか?”


 視聴者からのコメントも流れているが、多くが彼女たちが感じた何かしらの嫌な気配に対して警戒している様子。


 実力が相当高いはずのエリーゼたちにさえも、そんな感覚を取らせるようなものが…このダンジョンの奥にいるのだろうか?


「…なら、一旦皆ここで進行停止!!休憩も兼ねて、状況把握を最優先へ!!」


 まともに進めば、それにぶち当たってしまう可能性が非常に大きい。


 いくらけた外れの常識や強さを持つ彼女たちがいたとしても、慢心はできないし、そもそもそんな彼女たちが嫌な予感を感じ取る時点でろくでもない可能性の方が非常に高い。


 それゆえに、異土はここでしばし状況を見る選択を取るのであった…





何やら不穏な空気が漂い始める

しかし、先へ行かねばいけないだろうし、

それでも…

次回に続く!!


…魔物使い新作、やりたいなぁ

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