第七十三話 消し飛ばしましょう、企みを
―――古今東西、秘匿すべき秘密と言うものは、そう簡単に抑えきれるものではない。
どこかで漏れ出たり、あるいはうっかり姿を現したり、はたまたはどこかから…
「と言うわけで、どこかの国が秘匿しているぽいダンジョンから!!」
【異土チャンネル緊急配信をここに!!】
【【行います!!】】
”ちょっとまてぇい!?”
”行方不明になっているとかいう情報があったのに”
”いきなり配信が弾か舞ったと思えば、国が秘匿しているっぽいって、何そのワード!?”
配信して早々に、視聴者たちのツッコミがさく裂して、コメント欄に入ってくる。
無理もないだろう。本来ならば南の島で合同配信を予定していたというのに、あれやそれやの騒動を経て未知のダンジョンからの配信が来るとは、予想していなかったに違いない。
(…でも、入るまでの海での漂流記録に関しては、黙っておくとしよう)
そう異土は心の中で想った。
とにもかくにも、気を取り直して簡単に説明を行う。
幸いにして、エリーゼが手早くその辺の素材からささっとホワイトボードを作り出し、簡単な絵をかいてまとめて説明してくれるので、状況はすぐに視聴者にも理解された。
”ほほーん?怪しい通信妨害に、どこかの大規模採掘”
”そのうえ、明らかにヤバそうな魔法鉱石…いや、本当にこれどこかの国が主導でやっているなら色々と国際法違反だよなぁ”
”異土君とエリーゼちゃん以外の絵がものすっごく手抜きの棒人間風なのはさておき、これ今、配信して大丈夫な奴?”
「大丈夫じゃ無かったりする」
配信している…つまり、その光景は各地で見られるという事。
そして何よりも、ここを秘密にしたいものたちがいるのならば、当然嗅ぎつけて来て消そうとしてくる可能性は非常に高い。
「だけど、放置できないことだしどうにかしないといけない」
【それに、来るならその姿をバッチリ映像に捉えて、どこからのものなのか特定もできるのデス!】
【主殿を害そうとするのならば、ぶち倒せるしな!!】
【ふふふ、捕縛は癒しの次に得意分野ですしね】
面子的に捕捉されたとしても、そう簡単に襲撃をかけることはできないはず。
かけてきたとしても…彼女たちの力に溺れる気はないが、今は全力で頼りにさせてもらう。
「さて、何にせよ、配信でSOSで居場所を出しつつ、一番手っ取り早い…このダンジョンそのものをなくすように、ダンジョンコアへめがけて、レッツ最速攻略を配信するよ!!と言うわけで、皆、全速力で駆け抜けよう!!」
【【【了解!!】】】
”ふぁ?!?確かに、ダンジョンそのものが無くなったほうが、外に出てより救助されやすいかもしれないけど、最速攻略できるものなのか!?」
”どこかで秘匿しているダンジョンなら、モンスターの数も膨れ上がってそうだが…この面子ならば可能なのか?”
視聴者たちの驚愕もさておき、異土たちはすぐに配信をしながらこのダンジョン攻略に動き出すのであった…
「か、か、か、閣下ぁぁぁ!!グーデンベルグ閣下、大変大変大変変態変態変態です!!」
「落ち着け、何があった?」
「こ、ここの侵入者が、配信しております!!妨害電波があるはずなのに、現在このダンジョンが配信で各地に場所が…!!」
「ーーーぬわにぃ!?」
…そしてもう一方で、その配信をすぐに察知した者たちが大慌てで動き出すのであった。




