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第六十二話 ワイバーンだ

―――大空のフライトは、快適なもの。


 ダンジョンが出現する時代よりも前に比べると空の旅に危険は増えたが、その分技術も発展しており、より一層快適に過ごせるだけの技術も出来上がるもの。


 それゆえに、乗っている乗客たちの意識がゆるゆるになるのも仕方がないものなのだろう。


「…でもまぁ、そばにいないのはちょっと寂しいな」


 そうつぶやき、窓の外を見る異土。


 彼のマジックアイテム《エリーゼ》や従魔たち(サクラにクロハ)は貨物室にいるため、そばにいない。


 普段何かと近くにいる分、いざい無くなれば、どことなく寂しさもあるだろう。


(いや、学内でも寮で別れているけど…ちょっと不安というか、嫌な予感がしなくもないんだよなぁ…)


 







【…ふむ…ちょっと不味いですネ】

【ん?どうしたんだ?】



 南の島まで、あと十数分ほど。


 結構早く時間が経過したなと思いつつ、着陸後の荷下ろしに備えて、そろそろ準備をしようとする中、つぶやかれたエリーゼの言葉にサクラが反応した。


【安全のために、センサーをダンジョン内以上に拡大していたのですが…期待に近づく飛行物体を確認しまシタ】

【飛行物体…?なんとなく、嫌な予感がするのだが】

【まさかとは思いますが、敵対存在じゃないですよね?大空での襲撃は嫌なのですが】


【残念ながら…】








ドッゴォォォォォンッツ!!

「「「うわぉおおおっ!?」」」

「「「きゃぁぁぁあっ!?」」」

「「「何何何ぃいいいいいい!?」」」


 機体全体に響くような爆音に、衝撃。


 機内にいた人々が全員悲鳴を上げ、驚愕する中、窓際にいた他の者たちはすぐにその異常事態の原因に気が付いた。


「お、おい見ろよ外!!」

「わ、ワイバーンの群れが、襲ってきているぞおおおおおおお!!」

「「「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!?」」」



 空から見える光景に、機体の後部から攻撃を仕掛けている者たちの姿が直ぐに見えた。


 大空を羽ばたく蝙蝠のような翼の腕を持ち、トカゲの身体に巨大な恐竜のような頭を持つ、空の上で遭遇したくないモンスターランキングでは上位を占めるという『ワイバーン』と呼ばれるモンスターの存在。


 モンスターの中では体の色によってその能力が異なるという、スライムとちょっと似たような特性を持ちつつも、その性能は格段に上であり、中級から上級ダンジョンの中でも上澄みに位置する部類に属する者たちなのだ。



 今回の襲撃してきたワイバーンの色は赤色…炎の弾を吐き出す一般的なタイプなものでありつつ、単純でありながらもその火力は侮れない代物。



『お客様へ非常事態を連絡!!当機は現在、ワイバーン・フレイムに襲撃されております!!これより全力の対空砲擊システム及び逃走を試みますが、非常時に備えて緊急着陸に備えた装備を着用してください!!』


 響き渡る緊急アナウンスに、天井から降りてきた非常用呼吸器や救命器具などを、乗客たちはすぐに身に着ける。


 どれほどの対策を取っていたとしても、万全ではなく、このまま撃墜される可能性もあり得るだろう。


「何で南の島に楽しみに来たところで、こんなトンデモアクシデントがぁ!!」

「話の途中だがワイバーン展開は、現実じゃいらねぇぇぇ!!」

「誰か空飛べるやつ迎撃してくれぇぇ!!いや、ワイバーンは無理かぁ!!」


 阿鼻叫喚の機内の中、容赦なくワイバーンたちの火炎弾が飛んでくる。


 モンスターの襲撃に備えて機体にはいくつかの対空手段が用意されているとしても、相手はワイバーン。


 ドラゴンほどではないとはいえ、空の覇者と言っても良いほどの相手であり、たかが旅客機相手が逃げきれるわけがない。




…まぁ、確かに並の旅客機が対空システムを有しているだけであれば、そのまま撃ち落されていた可能性はあるだろう。


 だがしかし、相手が悪かったというべきか…


【…即席対空ミサイル、連射デス!!】


 ドドドッと音が聞こえ、機体の後方から打ち出されたミサイルの嵐。



 見るものが見れば、後部が被弾で破損しており、そこからミサイルがどこに入っていたんだというほど出ているのが分かっただろう。



ドゴドゴドゴンッツ!!

【【【ワギャァァァアッツ!?】】】


 獲物と見ていた大きな物体から、次々と放たれるミサイル。

 

 たとえワイバーンと言えども直撃してはたまらず、一旦距離を取って被害を減らす。


 幸いと言うべきか、ミサイル自体も射出する場所が狭いゆえか小さく威力もまだ押せられており、火炎弾で迎撃すればどうとでもなるだろう。


 

 そしてついでに言えば、後方部分だけ…横にはまだ甘く、そこならば獲物を狩ることができる。


【【ギャワアアアアア!!】】



ドゴォオオオオオオオオオンッツ!!


 素早く左右に展開したワイバーンたちが目一杯仕返しだとばかりに火炎弾を放出し、機体の両翼が吹き飛ぶのであった…

無事なフライトが欲しかった

しかし、その夢ははかなく飛びちり、消し飛ばされる

さて、このままだと墜落だが…

次回に続く!!



…年末きっつ

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