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第六十一話 突然だが

―――南の島までのフライト時間は、およそ二時間。


 しかし、ダンジョン溢れるこのご時世、安心安全な旅と言うものはない。


 いくら管理していたり、抑え込んでいたりしても、モンスターがダンジョンの外に出ることもあり…



『えー、お客様へご連絡いたします。当機は安全な空のために対空砲を兼ね備えていますので、急な飛行系モンスターの襲撃があっても安全な空の旅を確約いたします』



「襲撃がある前提の時点で、安全じゃないよなぁ…」

「仕方がないだろ、海にも空にも、出てくる時があるんだから」

「管理されていても、ひょっこり出てくるのは避けられないから、かんべんしてほしいぜ…」


 客室内に流れたアナウンスに対し、搭乗している生徒たちがツッコミを入れる。


 普段の配信活動の中でモンスター慣れしているとはいえ、それでもダンジョンの外で襲われたくはないものだ。




 現在、合同配信のための南の島に向けてのフライト中で、全員到着を楽しみにしている。


 その楽しみの中に、水を差すような真似をされたくはないのは誰だって同じなのだろう。



「確かに、その通りなんだけど…そう簡単に襲われることはないと思いたいなぁ」


 ダンジョン出現によって得られる素材もあって、旅行業界の各種車両も強化や対策が行われている。


 見た目こそは過去の旅客機や客船だとしても、その強度は比較にならないほど上がっていると聞く。


 例えるならそう…某宇宙列車のような、見た目はレトロでも中身がガチで最新の…


「…あ、駄目だ。それだと、絶対安心を歌っていても滅茶苦茶事故に遭うリスクがあるじゃん…」










【ーーーと、主殿は確実に考えているだろうが、空中で襲われるのは確かに避けたいものだな】

【ええ、私たちも対空手段は乏しいですからね】


 機体の中…貨物室。


 多くの荷物が置かれている中に混ざっているコンテナの中で、『生体輸送中に付き注意』のシールがでかでかと張られている一つのコンテナの中で、外観以上に大きな室内でサクラとクロハは話し合っていた。


 従魔と言う立場ゆえに、人扱いではない…と言うよりも、そもそも人間向けの客室に規格が合わないので、こちらになってしまったというのもある。


 とはいえ、しっかりとエリーゼの手によって魔改造されているコンテナと言うのもあり、下手するとこちらの方がファーストクラス以上のゆったりとしたくつろげる空間になっていると言っても過言ではない。


【…飛行ユニットは、量産型の私でも備わってないですからネ。やりようによっては空中戦は可能ですが、避けたいところデス】

【備わっていたら、それはそれで無法だと思うのだが…】

【と言うか、主様(ぬしさま)と一緒の客室じゃないんですね】


 ずずっと用意していたお茶をすすりながらそう語るエリーゼに、苦笑いを浮かべるサクラに、怪訝な表情を浮かべるクロハ。



 そう、エリーゼは客室ではなく…このコンテナ内で過ごしていたのだ。


【私も最初は、ご主人様が空の上でも快適に過ごせるように用意する予定でしたが…法律の問題が発生しましてネ。『マジックアイテム』であるがゆえに、こちら(貨物室)のほうで保管しての輸送対応になったのデス】


 忘れそうになるが、人の姿をしていたとしても、エリーゼはマジックアイテム。


 ダンジョンがあちらこちらで出現しているこのご時世、マジックアイテムの扱いも色々と法律の問題もあり、素直に客室に入れて運べるわけではない。


 一応、今回の合同配信の企画上、この旅客機を用意した教育機関の方でも色々と手続きを取ったとはいえ…



()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と思いましたからネ】

【そうなのか?】

【…ふむ】


 エリーゼがそう決めあのであれば、何か言うようなこともない。


 このマジックアイテムのメイドがどれほどの能力を持っているのかは、一緒に過ごせば多少は理解できるもの。


 それゆえに、彼女がの判断に対しては、自分たちの主である異土の次に、信頼はしているのであった…



【まぁ、このコンテナ自体が、緊急時にこの貨物室を吹き飛ばして戦闘機に変形できるような仕掛けも、時間があれば作りたかったですネ】

【そんな仕掛け、あってたまるか】

【それ、乗っている私たちへの影響、考えてますか?】



…このトンチキで奇天烈な部分さえなければ、もう少し評価は上だった。


フライトは無事に、終わってほしいところ

空を飛ぶことを考えると、某黒鉄の城風のあれとかも…ちょっとほしい

何にせよ、次回に続く!!




…考えたら某銀河鉄道のように、絶対安全の言葉は、どこにもないんだよなぁ…

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