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第五話 噂と方向性

…正直言って、情報社会と言うのも甘く見ていたのもあるのかもしれない。


 ダンジョンで配信が溢れるこの時代、誰も彼もが有益な情報を得ようと目を光らせたりする中で、面白い情報があればそれに飛びつかないわけがない。


 それゆえに、今、この状況になっているのも…



「おいおい、マジなのか異土!?この映像に映ってるメイド、マジックアイテムなのか!?」

「なんであの初級ダンジョンで、そんなもの掘り当てるんだよ!!いや、まず本当なのかどうなのか教えろ!!」

「放課後に行く予定だったのに、お前のせいで今日一日封鎖を喰らって、メイドを探しにいけないんだけど!!」


「…とりあえず、皆落ち着いてくれ!!」





 ダンジョン配信の翌日、夜遅く回覧板も回っていた寮内ではまだおとなしかったが、朝、教室内で異土はクラスメイト達に囲まれ、詰め寄られていた。


 原因は物凄くはっきりしすぎている。


「…あのメイド…エリーゼなら、寮の部屋でおとなしく留守番をしているよ。流石に、学内にマジックアイテムの持ち込みはダメだと言われているからね」

「「「そんなーーー!!」」」


 過去に生徒の中で、非合法のルートでとあるマジックアイテムを手に入れ、やらかしたものがいたという。


 使い道は人それぞれだが、その生徒がやらかしたことによって各学生たちの生活に混沌が訪れ…解決したとはいえ、二度とそのようなことはあってはならないということで、各種教育機関内では、学業にマジックアイテムの持ち込みを禁止されているのだ。



 まぁ、全面的な禁止は流石に色々な問題が生じてできなかったらしく、一部の抜け穴も存在しているとのことだが…いかんせん、そもそもの問題が一つある。


「学生生活の中で、メイドが授業中いる意味もないしね」


 学生生活の中で、メイドがいる意味があるのか。


 いや、寮の自室の掃除とかは良いけど、学業の最中とかは…どうなのだろうか。


「それもそうだけどさぁ、もっとこう、見たかった!」

「寮の中で見かけることができたとして、できれば休み時間とかで癒しとして揉ませてほしかったりさ!」

「マジックアイテムと分かっていても、メイドがいるってだけで何か特別感あるじゃん!」

「くわぁぁっ、このラノベにあるように、メイドがメイドとして学内に混じって、生活してほしいぃ良い!!」

「個人的には、メイドじゃなくて生徒として、学生服を着てここで一緒にとかが良かった…」


「おいこら、誰かさらっと本音漏れているんだが」

「「「全員心の底から叫んでいるんだよ!!」」」」


 大丈夫なのだろうか、学友たちよ。

 あと多分、学生として通えるわけがないとは思う…人の姿をしているとはいえ、マジックアイテムとして本人がいるんだし。



「先生!!異土のやつがメイドを連れてきていません!!連れてこさせるようにできないでしょうか」


「まず全員、まともに席に着けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 大丈夫じゃなかった、雷が落ちた。









 とにもかくにも、どうやらまだ一夜しか経過していないとはいえ、既にエリーゼに関しての情報は色々と出回っているらしい。


 可能であればワームの件も含めて抑えられないかとギルドから通達されたが、人の口に戸は立てられぬもの。


 切り抜き映像や、その他編集・加工されて出回っているものもあるようで、他の面白そうな話題が無ければ、中々熱は冷めないだろう。


「でも、コラ画像まで出まわってくるのか…うわぁ、編集でよくもまぁ、彼女に色々着せるなぁ」

「だって、メイドやマジックアイテムと言うよりも、綺麗じゃん、この人。そりゃ、色々着せたくなるよ」

「水着も良いけど、あのメイド服の下がどうなっているのか‥‥マジックアイテムなら何も無かったりするのかな?」


 憶測が飛び交う様子を見ると、なるべく早めに彼女に関して、色々な情報を出したほうが良いような気がしてくる。


 というか、異土自身もまだ不明な点も多いので…初級ダンジョンが封鎖されているのならば、今日の放課後の配信は思い切って、雑談配信の名目で聞いてみるのもありだろうか。


「そのほうが良いのかもなぁ…」

「あ、おい見ろよ、異土。お前もメイドに合わせてメイド服や女装、よりショタっぽい服装を着せられているぞ」

「ぶっ飛んだ飛び火が来てないかなこれ!?」

「当然の帰結だとは思う」

「お前、採掘配信よりも、その無駄にショタっぽい感じを活かした配信のほうが、その手に飢えた人を満たせそうな気がするんだよなぁ…需要と供給、知っているよな?」

「そこにメイドの彼女が加われば、おねショタ風配信…ふむ、視聴率爆上がりしそうだな」

「どんなことをやらせる気だよ!?」



 いかん、これ確実にまともにやらないと、いつかこのクラスメイト達に変な方向性でやらされかねない。


 危機的状況…様々な意味を含む事態の不味さに異土は気づかされつつ、すぐに放課後にでも配信を行ってどうにか変なことにならないようにしようと、心に決めるのであった…





「でも本当に、ショタ配信の方でやれば受けると思うぞ?」

「絶対にやらないからな!!」


…需要あるのだろうか…高校生にもなって、ショタ配信って。



【個人的には物凄く、需要があると思うのですが、ご主人様】


 今の声は、どこからであっても聞こえなかったことにしよう…

雑談配信、これからいこう

緩く、そして穏やかにやれえばいいはず

決して、変な方向に行かないように…

次回に続く!!



…タグに付けるべきか悩んでいたりする。今作マジでそこどうしようかな…

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