第五十九話 夏だ海だの前には
―――いよいよやってくる、配信者になっている生徒たちによる、合同配信までの日。
残すところあと三日ですべての準備を終わらせ、今回の合同配信はなんと経費がふんだんに盛り込まれたらしく、とある南の島が舞台となるらしい。
そこまでの経費が、たかが生徒たちの配信のために盛り込まれていいものなのかと思うが、一部では投資家たちによる将来性を見込んだ投資も行われているらしく、他大手企業なども参戦しているようだ。
これでより爆発的に人気が高まり、企業にとって利益が出るのならば確かに良いのだろう。
腕のいい配信者になれば、それこそダンジョンから得られるドロップアイテムも多く、レア度も高いものを得て…
【といいますけれども、そこまでの移動手段が中々問題ですネ】
「え?なんで?」
【…主殿、オレやクロハ、まともに飛行機に乗れると思いますか?】
「あ」
【そうなんですよねぇ…主様との空の旅のランデブー…考えたのですが、私たちの場合は体格が…】
エリーゼはまだ人とほぼ同じ体格なのは良いとして、問題はサクラとクロハ。
二人とも人外だけにその体格もまた規格外であり、蛇と蜘蛛の下半身のサイズ的に、まともに搭乗できないのである。
そのため、絵面的には最悪なのだが…移動するには、飛行機の貨物室に運ばれるようだ。
「いっそ、エリーゼのメイド服にあるポケットに、収納できれば…」
【残念ですがご主人様、それはできないのデス。オリジナルならばいざ知らず、私のような量産型に備え付けられているのはそこまで万能ではないので、お二人を収納することはできないデス】
某未来の世界のネコ型ロボットのポケットのようなものならばいざ知らず、エリーゼの収納用のポケットはそこまで万能と言うほどでもないらしい。
こうぬるっと、皆が入れば万事解決と言えたのだが…まぁ、世の中そう都合よくいくことはない。
なのでここは少しでも、移動が快適になる手段を模索するべきだ。
【そんなわけで、二人ともまとめて運べるように、改造したコンテナをご用意いたしましタ】
「相変わらず仕事が早いな‥」
とにもかくにも、合同配信までに色々と用意を進められそうであった…
「と言うか、コンテナ内部広っ!?え、外観と中のサイズがあっていないんだけど!!」
【わぉ、コレならば尻尾を伸ばせるな…】
【でしたら、主様も私と一緒にこのコンテナで過ごすのはどうでしょうか…ふふふ】
【いや、ご主人様は普通に客席デス】
さらっと新章へ
さて、この合同配信で面倒事が無ければいいのだが
いかんせんそう都合よくは…
次回に続く!!
…今年もあと少しだと考えると感慨深いなあ…




