閑話 人の知らぬ場所はどこにでも
…ダンジョンで出現する、モンスター。
それは明らかに、日常の中で出てくるような動植物とはどこか一線を越えた、未知の存在が多い。
とはいえ、何もこの世の中にダンジョンが出現する前からも、ちょっとした不思議なものと言うものは、密かに世界に溶け込んでいるものだ。
それは例えば妖と呼ばれたり、妖精、精霊等々…挙げればきりがないだろう。
もしかすると、ダンジョンそのものが出てくるもっと前から、人類はそうじゃない別の世界の隣人と言うべき存在と共にあったのかもしれない…
【…中々興味深い論文が出ているものですネ】
授業中、生徒たちが本日の体育で配信者ゆえのレベルアップしている身体能力で色々と競い合う中、エリーゼは一人図書室で、静かに読書をたしなんでいた。
普段はマジックアイテムのメイドとしての、主に仕えるメイドとしての本業を取っている彼女だが、四六時中すべてメイドとしての仕事に振り分けているわけではない。
時たまこうやって少しだけ休みを取ることもあり…その中で、最近少し考えるようになったこの世界のことに関しての知識を仕入れていた。
ネット社会なこの世の中、インターネットによる世界中からの情報収集もありだろう。
だがしかし、フェイクニュースなども紛れ込んでおり、しっかりと調べ尽くさなければ騙される可能性もある。
やろうと思えば、その手の類の輩の詳細を調べて、社会的な制裁を加えることもできなくはないが…労力に見合うのかと言えば、微妙なところ。
そのため、こういう地道な情報収集が欠かせないわけなのだが…ダンジョンがあふれ出る世の中になってからは、その情報量も一気に溢れ出ているようで、少し立ち寄るだけでも莫大な蔵書があるのは目を見張るものがある。
そして同時に、情報と言うのはそれだけ配信者たちにとって配信するには何をすればいいのかその道するべになるものであり、いつの時代、どこの世界であっても情報の大切さは変わらないようだ。
【それに…】
ぼそりとつぶやき、エリーゼの頭に浮かぶのは、異土の義妹である雪夜のこと。
雪女…モンスターとは違う、この国古来からいるような存在たちもまた、どこかに潜んでおり、断片的とはいえその記録が無いわけではない。
こういう地道な情報収集によって、隠れている存在も密かに見つけ出すこともでき、万が一の脅威に備えるためにも必要なことではある。
【あとは、オレたち従魔に関しての情報も色々あるな…というか、個人的には個々での常識的なラミアのほうが色々と絵面が…】
【私の方も、糸に関して各種蜘蛛系モンスターでの一覧に、最近追加で載せられたようですね】
頭が蛇で下半身が人、はたまたは巨大な蜘蛛たちの中に並ぶ自身の写真、各々が見るものが異なり、それぞれ微妙な表情、もう少し綺麗に撮れなかったかなと思うような表情など、抱く感想は異なっている様子。
異土の従魔になってからの日はまだそこまで経過しているとは言えないが、最新のモンスター情報の中にしっかりと記録されているらしい。
人外だからこその美貌を持つ彼女たちの姿が載っている以上、従魔にしたいと思って召喚石…ギャンブル石に金銭を投じ、身を削る人がいるかもしれない。
そうしたところで、同じようなものが手に入るかはさておき…世界的に見れば、身を崩してしまう人もいるだろう。
【…そう考えると、ご主人様も罪づくりな方ですネ】
本人のあずかり知らぬところで、今日もどこかで財布も預金口座もぶっ飛ぶ人がいるのだろう。
まぁ、何事も自己責任で…としか言いようがない。
だがしかし、時としてその責任を認められず、逆恨みする者たちが出ることもある。
一つ一つが小さくとも…その炎は、ゆらりと集まり、大きくなってくる。
けれども同時に、それを盛大に消し飛ばす風が出たりするのも…神のみぞ知るのであった…
【それと、そろそろ計画されている、合同配信、今日は会議している様子ですが、決まったようですネ】
【お?どんなものになった?】
【私としては、主様と良い雰囲気になれるような…そう、怪奇現象溢れる場所での怪談スポットめぐりとかやってみたいのですが…】
【いやそれ、結構シャレにならないのも混ざっているらしいので却下されたようデス。決まったのは…ええ、どうも経費を活かしての夏の島で…】
どうやら何か、やる様子
さて、こういう合同配信ででっかくやれることは何なのか
不穏な雰囲気も吹っ飛ばしたいと思いつつ、次回に続く!!
…仕事…鬼畜…いや本当に、もっと前からやってほしいよ、昔の人とか何で管理が‥ああ…




