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第四話 情報社会の恐ろしさ

―――この世の中、特にダンジョン配信によって得られる情報というものは、大きな価値を持つことがある。


 まぁ、様々な物が生み出されるダンジョンだからこそ、既存の貴金属の類などは逆に算出され過ぎて価値を落とすこともあったりするのだが、そうではないもの…特に、まさにその名が示すように、魔法のような効果を持つマジックアイテムに関しては、モノによってはとんでもない価値を示すことがあるだろう。



 無尽蔵に酒が湧き出る壺、大容量を収納できるマジックバック、大空を泳げるという天空竜の背びれに、無数の腕を生やして動かせる注射器…おかしなものは少々まぎれたりもするのだが、それでもダンジョンの出現以前の文明レベルであればなしえないことができる代物もまた、狙う人も多く…




「…そのため、明日は初級ダンジョンスタリアルは、全面閉鎖と」

【凄いですね、テレビの映像で我先にと、醜く争う姿が映し出されてますよ。…一体、何を目当てにして、ここまで群がっているのでしょうカ?】

「間違いなく、第二第三のエリーゼ目当てだと思うんだけど…」


…真夜中、ダンジョン配信も兼ねた生徒のための場所として、提供されている全寮制の一室…異土の室内にて、ネットで流れていたニュースを見て二人はそうつぶやく。





 ギルド内での事情聴取も終わって、本来であればマジックアイテムとして出てきたエリーゼは、一旦ギルドの関係機関へ提出し、調べてもらう予定だったのだが…エリーゼはメイドとして、ご主人様として登録した異土の元を離れるのを拒絶したのだ。





 マジックアイテム自身の意志による、拒絶。


 実は前例がないわけでもないのだが…その例のせいもあってか、何点かエリーゼ自身が有していた道具をいったん預けるだけで、一時保留扱いにされたのである。


 その前例と言うのは、意志ある魔導書…グリモワールと呼ばれる品。


 調査に否定的で、うっかりやらかした職員がいて、そのせいで怒りを買ったようで、大穴をあけられたということがあったらしい。


 そのうえで、今回のエリーゼの場合も考慮されたので良かっただろう。


【私としては、ご主人様に使えるメイドとして、資料提出だけで良かったですヨ】


 しいて問題を上げるのならば、彼女のメイド服のポケットの一つがマジックボックスと同様の機能を持っており、提出した武器も無茶苦茶なものだったので…厄介者を全力で押し付けられた気がしなくもない。


「…パイルバンカーに、レーザー箒、拡散はど…いやまぁ、何でそんなものを持ってんのかが、むしろ気になるんだけど」

【メイドの嗜みでス。ありとあらゆる状況下で、ご主人様を害する敵を排除するための掃除用具(殲滅兵器)を持っておくのは当たり前のことなのですヨ】

「箒はまだギリギリ分かるけど、他がヤバいんだよ…あとこれって武器なのかと疑問抱くようなものもあったし…強制魔法少女変身の杖って何?しかも、体を変えるとかじゃなくて服装だけで、どういうものなのか確認しに来たガタイの良いおっさんが、ふりふりの幼女の着るドレス服のあの姿…悪夢になりそうなんだけど」

【あれは…そう、悲しい事故だったのでス。本来であれば、ご主人様が幼女であれば、あれで楽しませる目的で、初期装備に組み込まれていただけの不用品なのですヨ】


 そのせいで、あの調査官は今後あの姿を晒した生き恥を背負うことになるのだが…うん、本当に記憶から消しておきたい。



「それもなんやかんやで終わって…まぁ、あの人は今後大変そうだけどどうしようもないとして、しばらくは手元に置いて観察してくれ、という結果になったけど…これから先、面倒事を起こすなよ?」

【大丈夫ですヨ。今日は犠牲は、あのワームと魔法少女のおっさんの方だけで済みましたからネ】


 さらっと同じレベルの被害者にされているが、破壊力と言う意味では間違いないのかもしれない。


 とにもかくにも、まだ配信者としての小遣い稼ぎも初日だというのに、メイドが半ば押し掛けるような形で来たのもあって、どっと疲れたのであった…



「…ああ、でもスタリアルが封鎖ってことは、明日は配信をあそこで出来ないか…放課後にこれから少しづやっていくつもりだったんだけど、色々予定が狂ったなぁ…」

【学業…ふむ、ご主人様、今は学生ですカ。よろしければ、勉強も見ますヨ】


…メイドに勉強を教えてもらうか…まだ、問題ないと思いたい。






「…あ、でもそもそもよくこの男子寮の方にエリーゼが入れたよな?普通にスルーしていたけど…」

【私、マジックアイテム扱いなので…少しもめそうになったらしいですが、面倒事を引き起こせばこうなりますよと、回覧板が回っていたようデス。ほら、ご主人様こちら…】


…うわぁ…もうあの人、既に撮影されてらぁ…この恐怖映像と見間違えしそうなこれが回ってきたら、そりゃ誰か押しかけに来るようなことも避けるって。

…提出したのもまぁまぁやばいものが多い

とにもかくにも、これから共に過ごすことになりそうだが、

配信へどう影響を与えていくのか…

次回に続く!!



…物理的な部分だけではなく、精神的な攻撃手段(?)も用意されていた模様。

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