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第三十二話 バランスも大事なもので

――配信者の配信行動は、様々な角度から見られることがある。


 戦いの中にあったとしても映りを意識していたり、魅せプレイを行ったり大失敗をしたり、各々の行動は各視聴者によってしっかりと見られている。



 だからこそ、観察をしている分バランスも見て…



”…それでもこの配信グループ、面子としては良い方じゃない?”

”すばしっこく動いてかく乱する異土君に、正面からぶつかり粉砕するサクラさん、サポートをしつつも後方火力も大きいエリーゼさん…確かに、バランスは取れているか?”

”しいて言うのであれば、中衛~後衛、もしくは回復系のがいたらいいんだけどな”



「…ふむ、なるほど、視聴者の意見も色々とあるね」

【まだ足りない部分を見るのは良いが、どう補うのかもな】

【やろうと思えば、その部分を補うこともできますガ、オーバーワークになりますかネ】



 中級ダンジョン『ウェブライドスライム』…様々なスライムに騎乗するモンスターたちが跋扈する中を、今回はサクラの蛇部分に騎乗させてもらい、遠距離からのガトリングやサクラの方に目を向けさせて背後からの奇襲を行う中で、そんなコメントが流れてきた。


”と言うか、ライドしているモンスターに対してライドで対抗しているのもヤバいがな”

”あの蛇の部分、おっきくていいなぁ…畜生、マジの蛇のままだったら丸呑み体験できたのに”

”前衛がでっかいから後衛も動きやすいか…異土君が本来指揮を執るべきだけど、彼が暴れても良いような司令官がいたほうが良いのかもね”

”おい、何か変なコメント混ざってなかったか?”

”それがコメントの中で出てくる、視聴者の業というやつよ…もっとあかんところだと、BAN祭りだ”


【…なるほど、主殿、人の業というやつは恐ろしいものなんだな】

【さすがの私でも、人の業は恐怖を感じるのデス】

「二人が怯えるのかよ…」


 普段怯えを見せないような二人が冷や汗を流しそうなこわばった表情を見せるなんて、なんて恐ろしいんだ、人の業は…





 とにもかくにも、そんなものにたいして怯えを見せつつも、この面子で足りないものがあるのならば、補充できるようにしたほうが良いのかもしれない。


「と言うか、普通は中級ダンジョンに来るぐらいの配信者だと、コラボを組んだりして人数を増やしているんだけど…」


 異土の場合は、最初の面子がエリーゼという未知のメイドのマジックアイテムゆえに、すぐに組まれることはなかった。


 たとえその性能が破格だとしても、まだ未知のモノに対して人は恐れてしまうのだ。


 そのうえ今度は、従魔とは言え大きなモンスターであるサクラも仲間にしたことで…そう簡単にコラボできないのが、悲しい現実である。


”いやいや、普通にしたい人もいるから”

”でもあのおっぱ…巨砲山脈に挟まれた子を相手にして、うまく出せるかと言えばねぇ”

”モンスターを相手にするってことはそういう事なのよ”


「そういうものか…さっきから絶妙にお菓子なのが混ざっているのは気にしないとして」

【また召喚石でもドロップすれば…とでも思いましたが、確率が恐ろしく低いんでしたっケ】


 あっさりと手に入れてしまったのもあって、価値が一瞬分かりにくくなりそうだが、後々調べたらそれ相応の値段で取引されていた召喚石。


 あのドロップがどれほど幸運だったのか、そして調べれば調べる分だけ出てくるハズレの多さにサクラを引けた幸運が良く分かったものだ。


「まぁ、そう都合よくドロップしないだろうし、今度は地道にコラボ相手でも探すかな…それに、面子不足もまだ焦るほどでもないしね」

”正直言って、不足部分が見えてもこの面子だとまだいらんだろと思う…”

”異土君のことだし、あっさりとまたドロップして、今度は面白そうな中でも出たりするんじゃない?”

”できれば今度は、獣希望…!!お姉さんも良いけど、ほんわかまったりできるようなのが来るように祈祷しておきますぜ”

”おい、邪悪な祈りやめろ”

”この組み合わせなら、いっそでっかいペット枠がきても良いんだけどね、巨大ひよことか…コカトリスとか?”

”指揮官が欲しいなら、軍曹系とか…蜘蛛…”

”なにおぅ、そんなものが手に入る召喚石だったらむしろ視聴者の俺たちのほうが欲しいんだが!!”

”それは激しく同意でござそうろう”


「わわっ…なんか、荒れ始めた…ちょ、ちょっといったん配信を切るね!!」


 何かしらの性癖の押し付け合い博覧会のような殴り合いが見えてきたので、急いでコメントを閉じて置く。


 配信の規模が少しづつ大きくなると、争いごとの火種もまた増えてきたようであった…



「…わぉ、閉じて正解。コメントが残り数秒で、凄い殴り合いに…」

【これが人の業…こわっ】

【私としてはメイド仲間が増えてほしいコメントは嬉しいですが、この類は…んー…メイド服、なのでしょうか、コレ】



…後で落ち着いて返信を返す中で、出てきたコメントに少しばかり辟易しそうであった。

人気者になってきそうだと、出てくる荒れたものたち

でもある意味、まだ平和なコメントの殴り合いなのでマシ…なのだろうか

不足分も念頭に置きつつ、次回に続く!!



…予定よりちょっと、早いか?

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