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第二十九話 予定とは少々違えども

―――厚目財閥、本社ビル。


 その会議室内…マジックアイテムコレクターでもありここの社長でもある厚目泰三は今、情報に目を通していた。


「…なるほど、強化メイド服のパージ及び腐食で情報が途切れたが、それでもある程度は集まったか」

「配信映像からも、どの程度の技術があるのか、性能やその出力なども少しづつ…いや、何このセンサー測定不可レベルのもの」

「エネルギーの性質なども、マジックアイテムのメイドと言うことだけあって、やはり魔法等が関わっているようなものもあるな」


…厚目財閥が提供していた、配信材料に利用した強化メイド服及びブーツ。


 実は、特殊な仕掛けとしてバレないように、着用者のデータを…エリーゼに関する分析データを密かに送るようにしていたのだ。



 本人にばれているかはさておき、得られたデータは価値があるものなのだが、見るものが見ればどれほどのものなのか理解させられる。


 たとえ、三流だとかいろいろ言われるような厚目自身にとっても、このデータがどれほどのものを示しているのか嫌でもわからされるだろう。


「そして惜しむらくは、配信中にパージしたことで、それ以上のデータが取れなかったことと…規定とか諸々の要因で、配信映像が映し出されなかったことだ…くそぅ!!いつか手に入れると思っているとはいえ、それでもパージ後の状態とか、生で動くのはそういう時ぐらいだから凄い見たかったのがぁ…!!」

「データよりもそっちの方がメインの、心のこもり過ぎた叫びだ」

「でも、分かるな、その気持ち…」


 集めの心からの嘆きに対して、同意する社員たち。


 そっちじゃねぇだろと、ツッコミを入れる人や冷たい目を向ける女性社員もいたら、もう少しこの場はカオスなことになっていたのかもしれない。




 だがしかし、今はそんな事…と片付けるには名残惜しすぎるが、得られたデータのほうが大事だろう。


「まぁ、スリーサイズなども得られたからそれで我慢するとして…この案件で得られた彼女に関してのデータで、同一とまではいかずとも似たような個体を複製することは可能だろうか?」


 そう、大事なのはエリーゼに関してのもの。


 可能であれば彼女自身を手に入れたいというコレクター魂も無いと言えば嘘にはなるが、それでもまずは、前提条件として彼女をどうにかできるレベルのものが必要になり…だからこそ、いっそある程度近いモノを作れないかと思ったのだ。


「…非常に難しいかと。そもそも、得られたデータからもホムンクルスやゴーレムと言った既存のマジックアイテムの類に似た技術はあるようですが…どれほど今の技術で頑張ったとしても、不可能かと」

「単純に、同様の姿形を模した人形であれば可能ですが、そこから先に動く、メイド業を行う、その他変形機構等なども含めると…」

「いやまず、メイドは良いけど変形機構のメイドって何だろうか」


 考えてはきりがないが、それでもわかることとすればまず確実に無理なこと。


 いや、多少はその構造データからより性能の優れた義手や義足、強化メイド服の改良なども可能かもしれないが…エリーゼのようなメイドは、今のままでは作れないということだ。



「可能ならば、手に入れるための方法を引き続き模索して…今は案件で信用を積み重ねておくのも手か」


 あくどい方法ならより多くの手段があるかもしれないが、ゆっくりと地道にやるのならばこの方法も悪くはない。


「ついでに言えば、今回の案件であのラミアや、映像には映らなかったがレアドロップもあったようで…案件動画としても成功で、我が社の商品のアピールも出来ていることを考えると、悪くはないか」


 データを得るためのモノだったが、接点が出来たのであればそこから自分たちの利益も得る手段につなげられる。



 そう考えるのであれば、案外これはこれで悪くはないのかもしれないと、彼らは思うのであった…



「…そういえば、最後の方で出たらしいレアドロップ情報に関しては?」

「ギルドでの報告及び提出を行って…あ、ギャンブル石か…」

「何!?使ったのか!?そうでなければ、買い取りたいところだが…」


「うぉぃ!?目撃情報で既に使用済みだが…出てきたのが、やべぇぞ!!馬鹿みたいなサイズの盾と剣を持った、でっけぇ鎧の何かが出たらしいぞ!」

「「「ぬわにぃ!?」」」


…可能ならば敵には回したくない材料がまた一つ、増えたようであった。


こっそりデータ取られていたが、それは想定できているか

いや、あのメイドが単純に気が付かないわけがない

そして一方で、何か出て来て…次回に続く!!



…さて、何を出したのか

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