第二十話 公開情報は慎重に
―――マジックアイテム、メイドことエリーゼに関する情報。
既に配信映像である程度見られているとはいえ、その詳細な情報…ギルドの方で公開可能な範囲にとどめらているとはいえ、出てきたものは有益なものが多いだろう。
惜しむらくは、そのメイドとしての能力だけではなく、彼女をコピーしたようなものを製造…アンドロイド等の技術を用いれば、ある程度は再現できそうなものなのだが、それでも見た目だけ。
完全にその能力を出し切れるわけもなく、むしろゴーレム等の技術でやったほうがまだましなレベルだろう。
「だからこそ、本気でほしくなってくるところだが…ふむ、力づくでは確実に無理な情報が集まってくるのが厳しいか」
「当たり前と言うべきか、えげつない性能過ぎるというか…カノン砲以外のも多いのが…」
…とある室内の中で、出てきた情報を見ながらそうつぶやくものがいれば、同意しつつ顔を青ざめたくなるようなヤバい情報に目を奪われるものもいる。
公開された情報の中には、エリーゼの有する武器も出ているのだが、その性能が既存の武器系統よりも強力なものが多い。
いや、そもそも彼女が一番最初に放った砲撃の時点で、力で押し切るという手段が使えないのは目に見えてわかるだろう。
「搦め手、情報操作、ハニートラップ…も難しい」
既にいくつか、試しているのだが足りない。
まず、相手の…彼女の主である異土のチャンネルのアンチとなるものたちを扇動する手段はあった。
しかし、まだチャンネルを開始してからそこまで時間も経過しておらず、1000人突破していてもそこは大した力にはならない。
情報操作にしても、中級や上級へ行くならばともかく、まだ初球の方をうろつかれているので強力なモンスターを罠に仕掛けるのも難しい。
ハニートラップに関しては…言わずもがな、美女と言うべき相手に、仕掛けようとする手駒が無い。
マジックアイテム相手に色仕掛けが通用するのかも不明なのが痛いところだ。
「ぐぬぬぬ…やれる手段が少ないのが厳しいか」
「あきらめればよろしいのでは?」
「諦められるかぁ!!」
手に入れにくいのであれば、より燃え上がるのも無理はない。
「この、マジックアイテムコレクター、厚目泰三の名において、集められなかったアイテムはなぁぁぁい!!」
ドォォォンッ!!っと爆発するマジックアイテムで背後を爆発させ、堂々とそう叫ぶ男の姿を前にして、この室内に集められた者たちは深い溜息を吐く。
ここまでやらかしておきながらも、まだギリギリ生き延びているのは、ひとえにこの男が集めたマジックアイテムによるものも大きいのである。
その分、失われたものも多いのだが…それでもなお、プラスマイナス…得られるマジックアイテムの性能が大きくなったりするので、プラスだと思っているのだ。
「待っていろよ、メイドのマジックアイテム、エリーゼとやら!!我がコレクションにメイドとして加え、綺麗に飾り付けをして保管してやろう!!」
「そこは普通、奪って奉仕させるとか…」
「マジックアイテムの摩耗を考えたら、無理をさせてはいけないだろうが!!」
「あ、はい」
何とも言えない、空気が漂う残念感あふれる姿。
とにもかくにも、今回得た情報も元にして作戦を組み立てていくのであった…
「ついでに言えば、あのロングメイド服ではなく、ミニスカメイドかビキニメイドにしてやりたい」
「いや、あのままのほうが良いのでは…」
「うるさい、メイドの手足の手入れを考えるのであれば、露出が多い方がやりやすいだろう?。ほこりがつく?そんなもの、丁寧に隅から隅まで綺麗に磨き上げて手入れすればいいだろう」
…こだわりがあるようだったが、それは人それぞれでもある。
ヤバい人は出てくるが
それでもまぁ、どうにかなってほしいところではある
保管に関しては、おとなしくされるかは…
次回に続く!!
…メイドだからこそ、働きたく・・・




