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第八話 第一次主改造計画

【…というわけございまして、ご主人様をこの度悪党どもが束になっても、軍を率いても、例え国一つや二つを潰せる戦力があろうとも、対応不可能なように育てる計画が出来ましタ~♪】

「後半からどんどん無茶ぶりが激しくなっているよね!?」


”どんな魔改造を施す気だろうか、このメイド”

”いや、あなたのご主人様を魔改造するよりも、メイド自身で対処したほうがはるかに良いと思うんだが…”

”むしろ、こんな合法ショタ的な少年をどうするの?筋骨隆々なゴリラボディにでもするの?”



…スタリアルが現在使用不可であり、代わりの場所として選定されたのは、初級ダンジョンの一つ、『スライムパレス』。



 ここは文字通り、モンスターとしてはド定番のスライムが出現するダンジョンではあるが、配信初心者の人たちでも楽に倒せるようなスライムしか出現しないとされている場所である。



 そんなところに今、異土はエリーゼに連れられて、配信を開始していたが…出てきたのは、無茶苦茶な計画の案だった。


【とはいえ、ご主人様自身を強化するのは、結構大変でス。本当ならば、いっそ超上級ダンジョンあたりにでも一緒に向かいまして、レッツ100連戦ガチバトルロード帰れまセン、みたいなのをやろうとしたのですが…いかんせん、流石に許可が下りませんでしタ】


”いきなり地獄を見せようとしていないか?”

”どんなスパルタを施す気だったんだ、このドSメイド”

”初心者だったのが功をなしたというべきか…そうじゃ無かったら絶望の中に叩き潰されていたのか…”



 ぼそっとつぶやかれたエリーゼの言葉に、流れるコメントもドン引きの声を上げている。


「そもそもの話…そんなに人を強化できるものなのか?」

【可能ですヨ。…配信者、実はダンジョンの影響をうけますからネ】



…そう、実は配信者はダンジョンへ潜るのだが、何も小遣い稼ぎに潜るだけが目的ではない。




 ダンジョンに出てくる、既存の動植物とは違う存在…モンスター。


 ゴブリンやオーク、スライムといった定番はもちろん、やばいダンジョンへ向かえばドラゴン…

とまではいかずとも巨大なトカゲや、先日のワームのようなものなど、その種類は多種多様ながらもどれもが人々へ敵意を向け、襲ってくる。



 だが、その全てが害になるかと言えばそうでもない。


 彼らは討伐に成功すれば、塵となって消えゆくが…後にはドロップアイテムと言う、彼らしか取れない特別な素材が落ちることがあるのだ。



「ついでに、モンスターを討伐できれば、その経験が肉体に染み込んで…ゲームで言うところの、経験値が積み重なって、レベルアップのようなものがあって…強化されるって話は聞いたことがあるね」

【ええ、その通りでス。一部の国ではそれを活かし、スポーツ選手は兵士の強化を行っているともされてますネ。まぁ、その場所は国家秘匿ダンジョンだとか…】


”陰謀論や黒い噂話で出るようなものやん”

”あくまでも噂だから、本当にあるとも限らないけれどね”


【とはいえ、そんな場所探る気もないですし、行くのも今は無理でしょウ。そもそもの話、厳しく言えばずぶの素人をそんなところへ向かわせても命を落とすだけでしょウ】

「さっき、最上級ダンジョンにでもぶち込むようなこと言っていなかったっけ?」

【それはそれ、これはこれデス。…なのでその手段が使えない以上…可能な方法で、ご主人様の強化計画を練ってきたのでス。最上級ダンジョンはその強化である程度逝ったところで挑ませるとしテ】

”いまさらっとやばいこと言ったぞ”

”誤字にあらず…恐ろしいこと口走ったんだが”



 コメントでエリーゼの発言にツッコミはいる中、彼女はごそごそとポケットw探り、何かを取り出した。


【ご主人様用に作った、『リモートモーションブーツ』デス】

「普通の靴ぽいけど…お、結構履き心地は悪くはない?」



 何やらかかとの部分にアンテナのようなものが付いたブーツが渡され、異土はすぐに装備してみた。


 とんっとんと履き心地を確認するようにふみならしつつ、感覚的にはかなり問題は無いはず。


「でも、リモートってことは…おおっと!?」

”何!?”

”いきなり体が、ありえない動きで…おおっと、空中第三回転きりもみジャンプ!?”

「ぐぇぇ!?体が勝手に!?」

”すげぇ声を上げているんだけど、思いっきり本人の意思を無視した動きに!?”


【ふむ、動作は良好ですネ】

「え、エリーゼ…まさかとは思うけど、このブーツって…」

【ハイ。私の意志で、ご主人様を肉体を、操れる道具でス】


 相当ヤバいレベルの道具を出してきた。


【正直言って、まともに今、ご主人様を鍛えようにも色々足りないデス。なのでまずは、基礎から…基本的な護身術をまともに扱えるようにと言うことで、私の動きをご主人様へ伝え、その肉体へ徹底的に覚えさせることにいたしまシタ】

「こんなもの作れるなら、守れるような装備とかにしたほうが良かっただろ!?」

【良い装備をご用意しても、扱えるだけの肉体が無ければだめですからネ。単純に、なにかしらのすんごい装備を今のご主人様に与えても、自爆しかねないのデス。なので…基礎から徹底的に、覚えましょウ♡】

「…あ、これ絶対にヤヴァイやつだ」


”可愛らしく言っても、見えないけど見えるという矛盾した恐怖の中身が垣間見える!!”

”>10,000円、スパチャされました”

”…葬儀費用、そっと出しておくか”

「縁起でもない理由の、初スパチャぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!」








…この日、初級ダンジョンであるはずのスライムパレスでは、絶叫が上がった。


 断末魔とも、恐怖の声とも、絶望の咆哮とも言われたが、その原因はある配信映像を見れば明らかになるだろう。


 だが、その配信映像は後に、ホラー系列へ回されたのは…言うまでもなかった。

憐れむべきは少年

しかし、そのかいもあって強化されるだろう

メンタルは少々ダメージを負うが…

次回に続く!!


…なおこれ、一応まだ第一次

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