第17話「住めば都? いやまず掃除!~ボロ屋敷と霊的トモダチ~」
朝、カーテンの隙間から差し込む光に目を覚ました私は、思わず伸びをした。
「……ここ、本当に私たちの拠点になったんだな」
とはいえ、部屋はまだ埃だらけで、床には小さな落ち葉や謎の羽根も散らばっている。
「さて、今日は徹底的に掃除だよ!」
リナは張り切ってモップを取り出し、私は掃除機代わりに魔法で埃を吸い込む。ゼフィルは相変わらず無表情だが、手伝ってくれている。
「……ねえ、この窓の隅、なにか光ってない?」
ふと、リナが窓の近くで小さな光を見つけた。
それはまるで小さな火の玉のように、ふわふわと揺れている。
「妖精……?」
「平成でも妖精なんてアニメかゲームでしか見たことないよ!」
「俺も、こんなにリアルな妖精は初めて見たぜ」
レオがじっとその光を見つめていると、光は突然私たちの前にフワリと舞い降りた。
「こんにちはー! 私はピピ、ここの守り神の使い魔だよ!」
なんとその光が声を発したのだ。
「守り神の使い魔!? なんかめっちゃかわいい!」
「でも、幽霊とかじゃなくてよかった……」
ピピは愛嬌たっぷりにキラキラ光りながら、掃除のお手伝いも申し出てくれた。
「この屋敷、昔はすごく賑やかだったんだよ。だから私、ここに残っているの」
「曰くあり」の理由が少しだけ見えた気がした。
「……よし、ピピも仲間だね!」
こうして私たちのボロ屋敷は、少しずつ活気を取り戻し始める。
新たな“仲間”も増えて、ますます楽しくなりそうな予感がした。