第15話「男は背中で語るってね~平成女児、助けられる!?~」
私たちが身構える中、黒フードの男たちはゆっくりと距離を詰めてくる。
「……三人か。武器持ってるし、素人じゃない」
ゼフィルが冷静に分析してるけど、私とリナは内心めっちゃ焦ってた。
「これ、スマホで何とかできる……?」
「いけるっちゃいけるけど、バッテリーがやばいんだよね。あとで充電どうすんのこの世界」
現実的な問題に直面してる中、レオは一歩、前に出た。
「お前ら──三人まとめてかかってこいよ」
その瞬間、彼の足元から風が吹いた。
ギュンッ!!
剣を抜く音と同時に、一人目の男が飛ばされた。
「なっ……今、何を……」
「“剣風一閃”。風の魔法と剣技の合成技だよ」
レオはニッと笑う。さっきまでの軽口とはまるで違う空気。
「ちょっと……カッコよすぎない?」
「え、惚れた?」
「いや、平成女児は恋愛禁止っていうか、設定的にそういうテンションじゃないっていうか」
「小難しいこと言ってると斬られるぞ?」
ふたり目の敵が襲いかかるが──レオは軽くジャンプして背後を取り、柄で後頭部を殴って気絶させた。
「……はえぇ。なんかもう戦闘描写が早送りみたいになってる……」
「強すぎて逆に雑に感じるまである」
三人目は空気を読んで逃げようとしたが──ゼフィルがさりげなく足払いして転ばせ、無言で拘束。地味に怖い。
「これで全員片付いたな」
レオは剣を肩に担ぎ、振り返る。
「さて、改めて──どう? オレ、仲間に入れてくれない?」
唐突すぎる提案に、私とリナは固まる。
「えっ、そういう流れ? さっきまで荷物屋だったのに?」
「いやいや、もう“お助けイケメン枠”ってことで強制加入でしょこれ」
ゼフィルがぽつりと一言。
「戦力としては問題ない。俺も異存はない」
「よっしゃあ! じゃあ今日からよろしく、平成女児ーズ!」
「いや、勝手にグループ名つけないで!!」
こうして──
平成女児と元貴族系イケメンの異世界冒険譚、正式にパーティー結成です!